忘れられない恐怖 また3月11日がやって来た。あの日から8年。 日は過ぎ去る、ぼくはとどまる(アポリネール『ミラボー橋』)。 あの日のことは、ぼくは忘れない。そして、あの日から続いた凄まじい恐怖を、ぼくは忘れない。 かつて、ぼくは『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』というブックレットを上梓した(「マガジン9」ブックレット、2011年7月16日発行)。 その中の「思いだしたくもない『まえがき』」に、こんなことを書いた。 思いだしたくもない。 だが、記憶はグチャグチャながら、鮮明だ。 あの日、僕は自分の机で原稿を書いていた。すごい揺れだった。そして、長かった。中腰になって、机の縁につかまった。一瞬、机の下に潜り込もうかと思った。カッコ悪いからやめた。 後で考えてみれば、そこは自分ひとり、誰も見ていない。カッコいいも悪いもない。でも、そのときは確かにそ