諏訪郡下諏訪町の霧ケ峰で産出した黒曜石の矢尻が、直線距離で約620キロ離れた北海道福島町にある縄文時代の「館崎(たてさき)遺跡」で出土したことが9日、分かった。青森市にある縄文時代の「三内丸山遺跡」で出土した信州産黒曜石の矢尻がこれまで最も遠くで見つかった例だったが、津軽海峡を越えて北海道に渡っていたことを示す。館崎遺跡の発掘に当たった公益財団法人北海道埋蔵文化財センターによると、本州産黒曜石の矢尻が北海道で確認されたのも初めて。 館崎遺跡で見つかったのは縄文時代中期初頭の矢尻1個で、長さ2・2センチ、重さ0・9グラム。北海道新幹線の関連施設建設に伴う発掘調査で、2009年に盛土の中から他の土器や石器とともに出土した。三角形の一辺がくぼんだような独特の形状や、透明度の高さから長野県産とみられ、民間会社の成分分析で、霧ケ峰産と分かった。 同センターによると、館崎遺跡は約5千年前から450