17日に行われた北京五輪女子マラソンで、日本勢は惨敗に終わった。野口みずき(シスメックス)が欠場し、土佐礼子(三井住友海上)は途中棄権。22歳の中村友梨香(天満屋)が健闘したが、日本勢による3連覇も、5大会連続メダル獲得も途切れた。日本勢がつまずいた背景からは、個々の所属チームに選手強化が委ねられ、情報を共有できなかった日本ならではの課題も浮かぶ−。(金子昌世) 「強化委員会は指導するのか、サポート役なのか、はっきりしない。いまは意見の取りまとめ役に終わっており、正しい情報が伝わってこない」。土佐の途中棄権の報に、ある日本陸連の強化担当者はこう漏らした。土佐の外反母趾の状況はもちろん、野口の故障の状態も欠場が決まる直前まで陸連の強化委員会で把握されていなかったからだ。 理由はある。マラソンの選手発掘、育成、強化は所属チームが独自に行っており、才能ある選手を経験豊富な指導者がマンツーマンで鍛