テニスの大坂なおみ選手は今週、多くの職場では考えられないことをした。うつや社交不安に苦しんでいることを告白し、プロテニスプレーヤーの仕事には不可欠と一部の人たちがみなす記者会見を行うことができないと明らかにした。 現在23歳で年収世界トップの女性アスリートである大坂選手は典型的な職業人ではないし、テニスの全仏オープンは従来の職場とも異なる。しかし、大坂選手の自身のメンタルヘルス問題に関する率直さは、そうした問題について比較的あけすけな若い世代が労働力に加わる中、企業がますます直面するようになっている私的な問題が公になった一例だ。 企業は近年、メンタルヘルス面の支援やサービスに力を入れ、従業員のニーズに適応しようとしている。しかし、大坂選手の発表とその後の全仏オープン棄権は、とりわけ悩ましい問題にスポットライトを当てることになった。個人のメンタルヘルスニーズがその人の仕事の一部をこなす能力に
厚生労働省の職員だった男性(当時29歳)がうつ病を発症したのは、「パワーハラスメント相談員」だった上司によるパワハラが原因だとして、厚労省が公務員の労災に当たる「公務災害」に認定していたことが分かった。男性は「死ね」などの暴言や罵倒を繰り返し受けていたという。厚労省は近く上司を懲戒処分する方針。 厚労省が3月2日付で男性に公務災害補償通知書を送付した。上司によるパワハラで不安障害とうつ病を発症したことを認めた。 男性によると2017年4月、政策の策定や評価などを担う政策統括官に異動。着任後すぐ、省内のパワハラを防止するため各部局に配置された「パワハラ相談員」を務める上司から「(おまえを)潰してもいいのか」と言われた。その後も「死ねっつったら死ぬのか」などの暴言や、同僚の前での罵倒、無視などを繰り返された。月130時間以上の時間外労働が続いたこともあり、男性は外部通報窓口や産業医などを通じて
長崎市の私立保育園に勤めていた40代の女性保育士が2017年に自殺し、遺族が園を運営する社会福祉法人に損害賠償を求めた訴訟で19日、長崎地裁(天川博義裁判長)は、女性への配慮が不十分だったとして法人に計約3500万円の支払いを命じた。自殺の前年に、保護者が虐待を訴えた「騒動」で心理的負担を負ったと認定した。 遺族は18年11月に、計約8千万円の支払いを求めて提訴。園側はカウンセリングや業務削減に取り組んでいたなどとして請求棄却を求めていた。 判決によると、保護者が16年に園内で虐待があると訴えた。その後、園は市の監査を受け、園児をたたくなどの行為を改めるよう勧告を受けた。園では動揺が広がり、経験豊富な保育士が複数退職した。 判決は、女性はこの騒動で強い心理的負荷を受けてうつ病を発症したと認定。遺書の内容などから、受け持ちの園児に実際には負わせていない大けがを負わせたという妄想に支配され、自
待遇不十分 周囲から差別 新型コロナウイルスの流行が長期化する中、感染患者のケアに疲弊した看護師ら病院職員の退職が相次いでいる。感染の危険と隣り合わせの過酷な労働環境下で、十分な待遇もなく、周囲から差別されたことなどが背景にある。30人以上が退職した病院もあり、職員のサポートが急務となっている。 ■極度の緊張 他の専門職と共に、看護師や患者らの心理的な支援に取り組む曽根さん(11月2日、東京都新宿区の国立国際医療研究センターで) 「いつ自分も感染するかと常に緊張を強いられ、負担が重かった」。コロナ患者を受け入れる北日本の総合病院を8月に退職した40歳代の看護師の女性はこう振り返る。 女性は保育園児の息子の子育てのため10年以上勤めた診療所を辞め、4月に勤務の調整がしやすい大病院に転職した。非正規の看護職で外来に勤務していたが、感染拡大に伴い、陽性が疑われる患者の検査補助などを担当するように
ことしの過労死白書が30日、公表されました。「過労自殺」と認められたケースを分析した結果、およそ60%は医療機関の受診歴がなかったことがわかり、厚生労働省は仕事上のストレスなどを早期に把握し対応する体制作りが求められていると指摘しています。 このうち脳や心臓の病気となった要因を労働時間以外でみると ▽「拘束時間の長い勤務」が30.1%、 ▽「交代勤務・深夜勤務」が14.3%、 ▽「精神的緊張を伴う業務」が11.4%などとなっています。 また、平成27年度から2年間に「過労自殺」と認められた167件を分析したところ、 ▽51.5%は発病から死亡までの日数が29日以下で、 ▽60.5%は医療機関の受診歴がありませんでした。 職種別でみると、 ▽専門的・技術的職業が40.1%と最も多く次いで、 ▽管理的職業が15%でした。 厚生労働省は、「精神的な緊張を伴う業務がほかの職種に比べて多い可能性があ
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厚生労働省が昨年度、立ち入り調査を行った全国3万余りの事業所のうち、労使協定の上限を超えて残業をさせるなど、違法な時間外労働が確認できたのは全体の半数近くに上ったことがわかりました。 その結果、 ▽残業をするために必要となる労使協定がなかったり、 ▽労使協定の上限を超えて残業させたりするなど 違法な時間外労働が確認されたのは1万5593か所と、全体の47.3%に上りました。 このうち1か月の残業が ▽過労死ラインとされる80時間を超えるケースが確認されたのは5785か所、率にして37.1%で、 ▽150時間を超えるケースがあったのは730か所、4.7%ありました。 長時間労働の是正に向けては、働き方改革関連法が施行され、去年4月から大企業で時間外労働の上限規制が始まったほか、ことし4月からは中小企業も対象となっています。 厚生労働省によりますと昨年度、接客・娯楽業の大企業で1か月に130時
医師の働き方改革として時間外労働の上限規制が設けられるのを前に、国の研究班が現在の医師の労働時間を調べたところ、上限規制を超えている医師がおよそ40%に上ることが分かりました。 上限規制が始まるのを前に厚生労働省の研究班は、全国の勤務医を対象に去年9月、1週間の労働時間を調べ、およそ9000人分のデータを分析しました。 その結果、年間の換算で上限の960時間を超えて働いている医師が全体の38%に上ることが分かりました。 さらに、ことし2月から3月にかけて、都市部と地方の県の2か所の大学病院の合わせて6つの診療科について医師の労働時間を調べたところ、兼務する別の医療機関での労働時間を合わせると上限を超えてしまうケースが多いことが分かりました。 大学病院の医師は地域にある別の医療機関でも兼務して働いていることが多く、地域医療にとって欠かせない存在となっています。 研究班は、兼務先を含めた労働時
弁護士ドットコム 労働 長崎30代医師「過労死」で和解…84日連続勤務、月平均177時間残業 妻「やっと主人のことが認められた」 長崎市の長崎みなとメディカルセンターに勤務していた男性医師(当時33)が2014年12月に亡くなったのは過重労働が原因だとして、遺族が病院を運営する市立病院機構に約4億1000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、病院側が過労死と認め約1億6700万円の賠償金を支払うことで和解した。和解は7月10日付。 病院側は、約1億6700万円を遺族に支払うよう命じた長崎地裁判決を不服として控訴していた。病院側は遺族に謝罪し、今後働き方改革のための特別委員会を設置する。 これまで過労死と認めて来なかった病院側だったが、4月に新しい理事長と病院長が就任し、対応が大きく変わったという。 7月10日に東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた医師ユニオンの植山直人代表は「意識の高い
新型コロナウイルス治療の最前線で働く医療従事者へのメンタルケアが課題になっている。治療法も限られ、予防法も確立していない中、「家族や周囲にうつしてしまう」「自分が院内感染の原因になるかも」との不安や緊張で強いストレスを受ける。「第2波」に備えるため各病院が対策に取り組んでいる。 「ストレスを放置すると適応障害だけでなく、不安障害やうつ病を発症することもある」。埼玉医科大病院神経精神科・心療内科医長の松岡孝裕医師は強調する。3月から主に重症患者を受け入れてきた同病院は、4月下旬に「現場が精神的に疲弊している」との声が病院長に届き、院内に医師と看護師、公認心理師、精神保健福祉士などから構成する「こころのケアチーム」を立ち上げた。 松岡医師が懸念するのは、患者数がピークを超えた後、症状が表れる事態だ。「感染拡大の渦中にあるときは自身の状態に気づけず、収束に向かう時になって精神症状に気づくことがあ
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