75歳で大学院の研究科博士後期課程を修了し、学位授与式を終えた佐藤悦子さん(25日、京都市左京区・京都工芸繊維大) 京都工芸繊維大(京都市左京区)で今春、75歳の女性が大学院の工芸科学研究科博士後期課程(デザイン学専攻)を修了、博士号を取得した。江戸時代初期の建築物をテーマにした研究論文を5年半かけてまとめた。「好きなことを極めたい、という思いでここまで続けられた」と感慨深げに学位授与式に臨んだ。 佐藤悦子さん=神戸市=は、京都・西陣で1930(昭和5)年建築の京町家を利用した宿の経営に夫妻で乗り出し、自ら改装の設計に関わったことがきっかけで、建築物や庭の造形に凝縮された日本文化に関心を高めた。 「子や孫の世話の手が離れ、これからは自分のために時間を使おう」と、還暦を過ぎてキャンパスに飛び込むことを決意。2012年、京都芸術大(左京区)に入学。同大学の大学院修士課程を修了した後、18年10