『クラウド化する世界』でお馴染みの(最近では『ネット・バカ』でお馴染みのと言うべきか)ニコラス・カー御大、待望の新刊が発表されました。今回のタイトルは"The Glass Cage: Automation and Us"。サブタイトルから分かるように、自動化(オートメーション)をテーマにした一冊です。 前作『ネット・バカ』ではネットが生活に浸透することの負の側面を取り上げたカーですが、今回もそれと同じような論調で、オートメーションがもたらすリスクについて考察していきます。 本書はオートメーション、すなわち以前は私たちが自分の手でしていたことを、コンピューターやソフトウェアに行わせるという行為について考えている。ただ自動化の技術や経済性、ロボットやサイボーグ、ガジェットの未来について語っているわけではない(話の中には登場してくるが)。本書が主眼を置いているのは、自動化が人類に何を引き起こすの