先週の2006年5月26日,日経Automotive Technology誌と日経エレクトロニクス誌の主催で自動車技術セミナー「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAY 2006 spring」を横浜で開催し,マツダの新型(3代目)「ロードスター」の開発主査である貴島孝雄氏に基調講演をお願いした。「感性」という,とらえどころのない価値をクルマという「もの」に転写して顧客に提供しようという考えを語っていただいた。静かな語り口ながら,その「行間」から滲み出るような熱い情熱に触れたような充実のひとときだった。 貴島氏は講演の冒頭で,初代ロードスターの開発主査であった平井敏彦氏と共著で2003年のSAE(米国自動車技術会)に提出した論文の内容を紹介した。クルマの商品としての価値を感性で定義しようとしたものである。 貴島氏は言う。「クルマにとって,馬力や加速性能といったことは大事なポイント
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