AmberFebのブックマーク (183)

  • 日常をめぐるパラレルなユニゾン────『きみの色』感想 - 宇宙、日本、練馬

    山田尚子監督『きみの色』をみました。いや、素晴らしかった...。以下、感想。 カトリック系の女子高に通うすこしぼんやりした雰囲気の少女、日暮トツ子は、同学年で聖歌隊で活躍し級友や後輩たちからも一目置かれる作永きみのことがなんとなく気になっていたのだが、きみは突然、高校を退学してしまう。街の書店できみをみかけたという噂を聞いたトツ子は街の書店をめぐるのだが、きみは容易には見つからない。そんな折、白に導かれて偶然立ち寄った書店でギターをつま弾くきみを見つけたトツ子。そこに居合わせた高校生の少年を巻き込んで、トツ子の思い付きでスリーピースのバンドが結成されることになり、少女たちと少年の思いがけない時間がはじまる。 山田尚子監督の最新作は、長崎を舞台に、少女・少年のつかの間の交感を描く。脚は『リズと青い鳥』の吉田玲子、キャラクターデザイン・作画監督は『平家物語』でもタッグを組んだ小島崇史と、盤

    日常をめぐるパラレルなユニゾン────『きみの色』感想 - 宇宙、日本、練馬
    AmberFeb
    AmberFeb 2024/08/30
  • 幻を超え、頂点の先へ────『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』をみました。おもしろかった!以下、感想。 我々の現実世界の競走馬の名前と宿命を受け継いで生まれる存在、ウマ娘。彼女たちは走るために生まれ、最高峰の舞台、トウィンクルシリーズで鎬を削る。フジキセキの鮮烈な走りに衝撃を受け、トウィンクルシリーズへと身を投じたウマ娘、ジャングルポケットは「最強」を目指して邁進するが、彼女の前に無敗のウマ娘、アグネスタキオンが立ちはだかる。上の世代には世紀末覇王とよばれるテイエムオペラオーが君臨するなか、ジャングルポケットは「最強」をその手につかめるか。 ソーシャルゲームやアニメを中心に展開される『ウマ娘 プリティーダービー』、満を持しての劇場版は、ヤンキー少女風のウマ娘、ジャングルポケットを主役に、彼女の最強を目指す戦いと葛藤を描く。アニメーション制作は昨年公開された『ROAD TO THE TOP』に引き続きCygam

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    AmberFeb 2024/05/29
  • 逃げよ、生きよ────『ゴジラ-1.0』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『ゴジラ-1.0』、おもしろくみさせていただきました。以下、感想。 1945年、アジア太平洋戦争末期。特攻のために飛び立つも、機体の不調を訴えて、整備のため小笠原諸島大戸島へと着陸した敷島。模擬空戦では優秀な成績を残しながらも死におびえていた彼は、その夜、島で恐るべき怪物に遭遇する。島の住民が「ゴジラ」とよぶ、巨大な恐竜のような化け物。整備兵たちを殺戮するそれを前に、敷島は零戦の機銃の引き金を弾くことができず、唯一生きのこった整備兵、橘の恨みを買う。 戦後、焼け跡の家に転がり込んできた少女とともに暮らし、危険な機雷掃海の仕事に就いて日々を過ごす敷島は、太平洋上で化け物がアメリカ軍の艦船を蹂躙していることを知る。その化け物、ゴジラは、いままさに東京を目指していた…。 『ALWAYS 三丁目の夕日』などをてがける山崎貴監督による『ゴジラ』シリーズ最新作は、戦後直後の日を舞台に、恐るべき怪物に

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    AmberFeb 2023/11/04
  • 退屈な「まぼろし」、その可能性の中心────『アリスとテレスのまぼろし工場』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『アリスとテレスのまぼろし工場』をみました。いや、すごいですね。以下感想。物語上の重大な仕掛けに触れています。 日列島、海と山とに囲まれた小さな街、 見伏。街の産業の中心ともいえる製鉄所での大きな事故以来、そこでは誰も街の外に出ることはできず、永遠の冬が続き、子どもたちの成長も止まっていた。終わりない日常が続くなかで、人々は倦み疲れ、中学生たちはしばしば刹那的な快・不快に身をゆだね無限に続くかと思われる時を過ごしていた。 中性的な容姿をもつ中学生の少年、菊入正宗は、「気になる」存在である同級生、佐上睦実によって、不可思議な力で稼働を続ける製鉄所の内部に誘われる。そこには睦実の面影を感じさせる、幼い少女がいた。幼児のような振舞いをするこの少女はいかなる存在なのか、そして終わらない日常に終わりは訪れるのか。少女・少年たちが対峙する、この世界の終わり。 『さよならの朝に約束の花をかざろう』に続

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    AmberFeb
    AmberFeb 2023/09/16
  • 窓をあける人/涙にはまだ早すぎる────『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』をみました。みんな元気でよかったですね、ほんとうに...。以下、感想。 一学年上の先輩たちが引退し、吹奏楽部部長に就任した黄前久美子。まだ部長としての立ち居振る舞いはしっくりこないが、12月に開催されるアンサンブルコンテストにむけて、部内ではそれぞれ少人数編成のチームが組まれ、あわただしい日々を過ごすのだった。 『響け!ユーフォニアム』の最新作は、映画『誓いのフィナーレ』の後、黄前久美子たちが2年生後半に差し掛かった時期の挿話。1時間ほどの中篇で、部長としての在り方に悩みつつ久美子にスポットをあてつつ、奮闘する部員たちを描く。まだ3年生が卒業していないこともあり、引退した先輩たちが画面をにぎわせるサービスもうれしい。 吉川・中川の凸凹コンビは相変わらずだが、とりわけ印象に残るのは音大受験に向けて練習に取り組む鎧塚みぞれ。『誓いのフィ

    窓をあける人/涙にはまだ早すぎる────『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』感想 - 宇宙、日本、練馬
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    AmberFeb 2023/08/06
  • たそがれどきの神話と倫理――『風の谷のナウシカ』感想、また『シン・エヴァンゲリオン』のこと - 宇宙、日本、練馬

    『風の谷のナウシカ』をはじめてみたのは、小学校低学年のころ、金曜ロードショーでだった。ふだん、21時には床に就いていたから、それは特別な時間だったし、たぶん夢中で画面にくいついていただろうと思う。まだ宮崎駿という固有名を意識する前に、ほとんど通り魔的に洗礼を受けたわたくしのような人間は決して少なくないだろうし、その意味で金曜ロードショーが宮崎駿の手になる諸作品を定期的に流してくれることの教育効果はありがたいものだった。 その後、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした2020年のリバイバル上映ではじめて劇場で鑑賞する機会が訪れた。映画公開後も書き継がれ、途方もないヴィジョンを提示してみせた漫画版を経由してなお、映画『風の谷のナウシカ』の結末は強烈なカタルシスをもたらすものだった。その感触は、昨夜自宅で鑑賞しても同様で、あらためてこの映画のもつ力を思い知らされたという気がする。 さて、いまさ

    たそがれどきの神話と倫理――『風の谷のナウシカ』感想、また『シン・エヴァンゲリオン』のこと - 宇宙、日本、練馬
  • キャラクターとセカイとの決闘では、セカイに介添えせよ——『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』をみました。以下、感想。結末に触れています。 2118年、日列島。人間の心理状態をスキャンして数値化し、それに基づいて管理・選別を行うシビュラ・システムにおおわれた日列島。シビュラ・システムはもはや自明のインフラストラクチャーとなり、その管理により理想社会が実現されたとみなす人々のあいだでは、「法律の廃止」すら議論にのぼる状況になっていた。その趨勢に反対し会議の場で気炎を上げる厚生省公安局の統括監視官、常守朱だったが、会議の最中、横浜沖で外国船舶をめぐる事件が発生したとの報告が入る。その事件に外務省と共同で捜査にあたることになった公安局の面々だったが、外務省側の捜査官として思いもよらぬ旧知の人物が現れる。 2012年のテレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』に始まるシリーズの最新作は、2019年に放映された『

    キャラクターとセカイとの決闘では、セカイに介添えせよ——『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 正直、もうコミケは大手サークル以外厳しいと思う

    先日開催された冬コミに3年ぶりに参加した。コロナ対応のためチケット制になり、入場者数がかつてと比べて減っていることを、情報として知ってはいた。知ってはいたんだが…。 しかしそれがここまでダイレクトに売り上げに直結するとは思わんかった。具体的に書くと三分の一くらいになった。へこむぜ。 ジャンルは情報・評論。いわゆる批評誌を個人で出している。 8年前から冬コミで新刊を出して、それをチャンスがあれば文学フリマなんかに持ち込んで…というサイクルで参加していた。 刊行をそこにあわせているのもあるんだろうけど、やっぱり数を頒布できるのはコミケ。目を引く表紙にしていたこともあって結構ジャケ買いっぽい人に手に取ってもらえてた印象がある。 そんでTwitterの知り合いの人が20~30人くらい毎回きてて、その人たちにも手にとってもらえたりする。 ありがたいことに、継続しているうちにだんだん部数がはけるように

    正直、もうコミケは大手サークル以外厳しいと思う
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    AmberFeb 2023/01/02
  • 喪失、災い、旅立ちの荷物――『すずめの戸締り』感想 - 宇宙、日本、練馬

    新海誠監督の最新作、『すずめの戸締り』をみました。『君の名は。』、『天気の子』を経て、それらの作品の主題系を継承し、さらにむき出しの作家性が露出した、そういう映画だったと思います。以下、感想。物語上の重要な仕掛けに触れています。 少女は夢をみていた。草原と廃墟の夢。母を探してさまよう。あてどなく心細げに歩く。誰かに出会う。そうして目覚める。生まれた地を離れ、母とも死に別れて叔母と暮らす現実にもどる。日列島、現代。宮崎県の海沿いの街に住む高校生の少女、岩戸鈴芽は、登校中に不思議な雰囲気をまとう青年と出会う。廃墟を探しているという青年が気になり、そのあとを追って山上の廃墟にたどり着いた鈴芽はそこで不可思議な扉をみつける。廃墟のただなかの扉を開けると、そこには異界――ある種の人々は「とこよ」とよぶ――が広がっていた。ひとり廃墟で困惑する彼女は、地面に刺さった要石を引き抜いてしまう。それが大いな

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  • 暴力と活劇のさきに——『ガンダム Gのレコンギスタ』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ガンダム Gのレコンギスタ』をようやくみました。どうやら劇場版を見に行くタイミングを逸してしまった感があり、やや残念です...。以下、感想。 はるか遠い未来。地球に住む人々は、軌道エレベーターにより宇宙からもたらされる超技術によって生存していた。もはやその由来すら定かでない軌道エレベーターは神聖視され、技術の発展は禁忌とされる一方で、各国はロストテクノロジーをもとに巨大人型ロボット=モビルスーツに代表される軍備の拡大をすすめ不穏な気配も漂う。そんな折、宇宙より飛来した、新型モビルスーツ、Gセルフをめぐって、軌道エレベーター周辺で軍事衝突が起こる。その動乱が、地球帰還をめざす宇宙勢力による運動、レコンギスタの端緒になると、まだ誰も気付いていなかった。 富野由悠季総監督による、「リギルド・センチュリー」を舞台にした新たなるガンダム。2014年から翌15年にかけてTV放映されたのち、劇場版5部

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    AmberFeb
    AmberFeb 2022/08/15
  • 不自由さ、気恥ずかしさ——アニメ『SPY×FAMILY』感想 - 宇宙、日本、練馬

    このところ『SPY×FAMILY』をみていました。以下、感想。 世界が「西」と「東」とで対立し、陰謀が張り巡らされるなか、西から東へと潜入するスパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーは、東側の要人、ドノバン・デズモンドに接触するよう命を受ける。警戒心の強いデズモンドに接近するため、その息子の通う名門校に子どもを通わせることで接点をつくる計画が進行するが、ロイドは独り身であった。スパイであることを隠して孤児を引き取り、偽装結婚を試みて任務遂行を図ろうとするロイドだったが、引き取った孤児は人の心を読む超能力者、結婚相手に選んだ公務員の女の裏の顔は凄腕の殺し屋だった。それぞれが秘密を抱えた家族が巻き起こす喜劇。 遠藤達哉による漫画を、『機動戦士ガンダムUC』などで知られる古橋一浩を監督に据えてアニメ化。アニメーション制作は『進撃の巨人』のWIT STUDIOと、『Fate/Grand Order

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    AmberFeb 2022/08/13
  • きっと何者かになれるわたしたちが、何度でも呪いを打ち払うだろう——『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる』をみました。このようなタイミングでこの作品が公開されること、TV版もそうでしたが、作品自体が歴史に要請されて存在する、そのように錯覚してしまうような感覚があります。恐るべきことです。以下、感想。 高倉冠葉、晶馬の兄弟は、病に侵された妹の陽毬を救うため、「ピングドラム」を手に入れるため奔走する。亡き姉の幼なじみの男をストーキングする少女、荻野目苹果のもつ日記帳が「ピングドラム」なのではないかとあたりをつけた兄弟だったが、何者かに日記帳は奪われてしまう。そんななか、苹果の姉、桃果は、95年にある集団によって起こされた、地下鉄テロ事件によって亡くなったのだと知り、兄弟は戦慄する。なぜなら、そのテロ事件の首魁は、彼らの両親だったのだから...。95年の事件をめぐる呪いが3人の兄妹を翻弄し、運命が紡がれる。 201

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  • なぜ空想は書かれたか?——山田風太郎『八犬伝』感想 - 宇宙、日本、練馬

    山田風太郎『八犬伝』をこのところ読んでいました。以下、感想。 曲亭馬琴は構想していた。海の向こうで紡がれた大古典、『水滸伝』を下敷きに、宿縁によって集った勇士たちが正義をなす物語を。八犬士たちが躍動する「虚」の世界と、曲亭馬琴の身にふりかかるよしなしごとを描く「実」の世界、28年にわたって繰り返される往復の果て、やがて虚実冥合の境地に至る......。 山田風太郎による『南総里見八犬伝』の翻案は、同作の骨組みを取り出して鮮烈な活劇へと再構成した「虚の世界」と、その作者曲亭馬琴の生活世界を舞台とする「実の世界」を互い違いに描く構成。「虚の世界」は執筆以前に葛飾北斎などの知人に馬琴が語ったものという位置づけになっており、大胆な省略がエクスキューズされているが、まさにこの省略ゆえに活劇としてのダイナミズムはいかんなく発揮されていてめっぽうおもしろい。室町期に飛び散る血しぶきの鮮烈さは、山田風太郎

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    AmberFeb 2022/07/21
  • ずっと続いてゆく旅路——『映画 ゆるキャン△』感想 - 宇宙、日本、練馬

    映画 ゆるキャン△』をみました。以下、感想。 高校を卒業してからしばらく後。名古屋市内の出版社に勤めはじめた志摩リンは、高校時代にしばしばキャンプをともにした級友、大垣千明と再会する。山梨県内で地域振興のための団体に勤務しているという彼女は、山梨県廃墟を再利用してキャンプ場をつくる計画をあたためていた。その計画の実現のため、かつて「野外活動サークル」とその周辺に集まった少女5人がふたたび集まり、キャンプ場づくりを始める。 高校生の少女たちがゆるくキャンプを楽しむ様子を描いたアニメ『ゆるキャン△』の劇場版は、まだ高校生活を続けている原作漫画のはるかさきを描く。原作がまだ進行中で、かつまだ高校卒業すらしていないキャラクターの「その後」を先取りして描いてしまう、というのは大変なアクロバットだと感じたが、そのことが映画らしい映画としてこの作品を成立させていて、その意味で極めて誠実な舞台設定だった

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    AmberFeb 2022/07/04
  • 幼稚なユートピアの擁護のために——ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳』感想 - 宇宙、日本、練馬

    ベンジャミン・クリッツァー『21世紀の道徳』を読んで、啓蒙されたので、以下、考えたことを記しておきます。 書は、おおまかに「学問の意義」「功利主義」「ジェンダー論」「幸福論」を扱う4部構成で、各章の独立性も高く、この一冊で相当広いトピックが扱われている。著者のベンジャミン・クリッツァーは在野の批評家。ブログ「道徳的動物日記」の著者であるブロガー、デビット・ライスとしても活動している。 ヴィーガニズム、「権利」という語彙、「ロマンティック・・ラブ」、「ブルシット・ジョブ」等々の話題を、倫理学―—特に印象的に引用されるのはピーター・シンガーである——の知見を参照して論じていくのだが、論旨は明瞭で結論も説得性があり、はっきりいってめっちゃ啓蒙されてしまいました。書であつかわれている事柄に関連する話題をふられたら、したり顔で書に書いてあったことを口にしちゃうかも、と思うくらい。 そうした個別

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    AmberFeb 2022/06/25
  • けものの踊り、幽霊の声——『犬王』感想 - 宇宙、日本、練馬

    湯浅政明監督『犬王』をみました。湯浅政明という作家の、現時点での総決算ともいえる作品だと思います。一人でも多く、劇場に足を運んでほしい。以下、感想。 日列島、いまからおよそ600年前、南北朝の時代。壇ノ浦に住む少年、友魚は、謎の男たちに依頼され、父とともに、海に沈んだ三種の神器のひとつ、草薙の剣をサルベージしようと試みる。しかし、剣がさやから抜かれた刹那に発した閃光―—それは敗れて海へと沈んだ平家の怨念かもしれない——によって、父は死に、自身も視力を失ってしまう。父の無念の晴らすため旅に出た少年は、琵琶法師の男と出会って自身も芸を身に着け、やがて京都に辿りつく。そこで出会ったのは、異形の少年。片腕が異様に長く、もう片腕はあるはずのところに見当たらない。瓢箪で隠された素顔をみた民草は、震えあがって逃げ出してしまう。盲目であるがゆえにその異形をおそれなかった友魚は、少年と親交を結び、やがてま

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    AmberFeb 2022/05/30
  • いま・ここで再び空想すること——『シン・ウルトラマン』感想 - 宇宙、日本、練馬

    シン・ウルトラマン』をみました。以下感想。 日列島、現代。「禍威獣(カイジュウ)」と名付けられた巨大な生物が日列島に突如出現するようになり、たびたび甚大な被害をもたらすようになった世界。新設された防災庁のもと、禍威獣特設対策室専従班、通称「禍特対(カトクタイ)」は「禍威獣」対策に奔走していた。5体目の「禍威獣」、電気を喰らう化け物に苦戦し、なすすべなしかと思われたその時、空から巨人が飛来する。「禍威獣」を難なく退けて飛び去ったその巨人を、政府は「ウルトラマン」と名付けた。巨人のもたらすものは、福音か、禍か...。 『シン・ゴジラ』に続く、庵野秀明・樋口真嗣らによる古典的特撮もののリブート。演出のトーンは『シン・ゴジラ』を継承しているといってよく、官僚組織で繰り広げられる丁々発止のやりとりを奇抜なアングルを目まぐるしく切り替えて映してゆく手際は、編集にクレジットされている庵野秀明の署名

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    AmberFeb 2022/05/16
  • インターネットでフリーアクセスできるおもしろい論文を紹介するbotをつくったわよ! - 宇宙、日本、練馬

    表題のとおり。以下、なんとなく問題意識とかを書いておきますね。 botは以下のものです。つぶやくのは人文・社会科学系の論文が中心。わたくしの興味関心がそこらへんにあるので...。基的に学会誌か大学の紀要論文です。 およそ5時間おきにつぶやきます。5時間という間隔にしたのは毎日異なる時間にタイムラインを流れるようにしたかったから。いまのところ210くらいの論文にリンクしていて、40日ぐらいで一周します。つぶやく順番はランダムで、すべてつぶやき終えたらリセットされ...という設定になっているはずが、運用開始から二週間ちょっとですでに同じ論文のリンクが呟かれていて、うまく機能していないかも... 使っているのは以下のサービス。個人誌の宣伝のときは別のサービスで自動つぶやきを設定していたのだけど、どうもうまくいかず、こちらにしました。 botbird.net 最初、機関リポジトリのURLが長すぎ

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    AmberFeb 2022/05/10
  • 「ここではない何処か」に送る手紙——『グッバイ、ドン・グリーズ!』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『グッバイ、ドン・グリーズ!』をみました。以下、感想。 現代、日列島。東京から少し離れているらしい、山間の田舎。夏休み。高校生の少年、ロウマは、東京の高校に進学して医師を目指す幼馴染のトトと、どうも最近日に帰ってきたらしい小柄な少年、ドロップと、山の中に墜落してしまったらしい、全財産をはたいて買ったドローンを探しに、ささやかな冒険に出る。 2018年に放映された『宇宙よりも遠い場所』の記憶も新しい、いしづかあつこ監督による初のオリジナル劇場長編は、『よりもい』を別の仕方で反復変奏しつつ、ちがったかたちの希望を私たちに投げ渡す快作であった。『よりもい』と共通するスタッフも少なくなく、キャラクターデザインは吉松孝博、音楽は藤澤慶昌、アニメーション制作はマッドハウス。南極という「世界の果て」を目指す壮大なロードムービーであった『よりもい』と対照的に、この『グッバイ、ドン・グリーズ!』は、田舎

    「ここではない何処か」に送る手紙——『グッバイ、ドン・グリーズ!』感想 - 宇宙、日本、練馬
  • 此岸で無様に「やり直す」こと——アニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』感想 - 宇宙、日本、練馬

    『無職転生 〜異世界行ったら気だす〜』をみました。あなどっていてすみませんでした。たいへん誠実に制作されていて腰抜かしました。以下、感想。 トラックに轢かれて一生を終えたかに思われたひきこもりの男は、気付いたら異世界の赤ん坊として生まれ変わっていた。中世ヨーロッパ風の世界で魔術の才能を磨きながら成長した元無職ひきこもりの青年は、異世界で過酷な運命と対峙する。 理不尽な孫の手によって2012年から「小説家になろう」に連載され、書籍化されたライトノベルを原作とする。読者からの高い評価を知ってはいたが、2021年に新たな制作会社を立ち上げて満を持してのアニメ化が、ここまで稠密な異世界をたちあげ、そして物語は極めて誠実なビルドゥングスロマンであったことに、正直強い驚きを覚えました。アクション作画は要所要所でさえわたり、また魔法発動シーンのセンス・オブ・ワンダーがありありと伝わってくるのが素晴らし

    此岸で無様に「やり直す」こと——アニメ『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』感想 - 宇宙、日本、練馬
    AmberFeb
    AmberFeb 2022/01/18