システムは人が開発・運用するものなのだから、ソフトウエアのバグやハードウエアの故障、オペレーションミスなどは避けられない。しかしみずほ銀行が2021年2~3月に起こしたシステム障害の詳細をひもとくと、通常の組織では起こりえないような問題が多数発生したことによって、小さなトラブルを起点とするシステム障害が、顧客に大きな影響を与えていたことが分かった。 4件のシステム障害は、いずれも2019年7月に本格稼働した勘定系システム「MINORI」で発生した。 2021年2月28日にはMINORIの「定期性預金システム」でデータベース(DB)が更新不能になったことをきっかけに、ピーク時には自行ATMの7割超に相当する4318台が一時停止し、ATMが通帳やキャッシュカードを取り込むトラブルが5244件発生した。 3月3日にはMINORIのデータセンターにあるネットワーク機器の故障がきっかけで通信が不安定