民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論、大前研一 大前研一が「日本は今後数年で国家の命運が決する」と言うのは、僕の知る限り過去15年余りでこれで26回目になるが、それでもこの本はとても面白かった。 天才戦略コンサルタントと言われた大前もすでに65歳を過ぎ、年金をもらう年である。 それでもこの本が面白いのは、大前がまだまだ現役で経済の最前線で活躍しているからである。 確かに、大前が現役コンサルタントの時に書いていたようなカミソリのような切れ味はなくなっているが、それでもまだまだたくさんのことを学ばせてくれる。 やはり日本の多くの経営者と実際に接しているので、日本の産業に関する話は面白い。 特に量販店からネットに移行する消費者の分析は面白かった。 こう言った新しいネット企業に関しても、会社名や経営者の人となりまで赤裸々に語られている。 また、国家に対するさまざまな提言も具体的で真剣だ。 実