第1世代のワールド・ワイド・ウェブ(WWW)によって,小売業や情報検索は急速な変容を遂げた。そして,近年登場したブログやタギング,ソーシャルネットワークなどのいわゆる「ウェブ2.0」によって,インターネットは情報を収集するだけの場ではなく,情報を発信したり,その情報編を集したり,コラボレーションしたりする場として,その能力を急激に拡大している。旧来の制度や慣習が根強く残るジャーナリズムやマーケティング,さらには政治家の活動までもが,このまったく新しい考え方と仕組みを受け入れるよう迫られている。 そして,次に変化を求められるのは科学界だ。一部の研究者(若手研究者だけではない)はオープンなウェブ2.0ツールによって自身の研究を公開し始めており,少数だがその数を増やしつつある。こうした取り組みは散発的でまだ“潮流”と呼べるほどではないものの,これまでの事例から,ウェブを基盤とした“サイエンス2.