「テニスのグローバル化」 それは、ここ何年にもわたって叫ばれている、ある種のキャッチコピーのようなものだ――。 土居美咲は全豪オープン覇者のケルバーをあと一歩まで追い詰めた かつてテニスは、"発祥の地"を自負するフランスや、アメリカなど経済大国の競技であった。その事実はトップ選手たちの国籍にダイレクトに反映され、たとえば20世紀最後の年である2000年の2月21日付けランキングでは、女子上位10人のうち4人がフランス勢。次いで、アメリカが3人を占めている。この傾向は上位20位まで広げても大差はなく、最多はアメリカの6選手で、5名のフランス人選手がこれに続いた。 そのような世紀末から、16年後......。テニス界の景色は様変わりし、2月22日時点の女子トップ10に、フランス人の名前はなし。アメリカ人も1位のセリーナ・ウィリアムズのみであり、すでに引退したフラビア・ペンネッタ(9位/イタリア