5月8日、滋賀県大津市でまたもや保育園児の列にクルマが突っ込み、園児2人が死亡するという痛ましい事故が起きた。ただ歩道を歩いているだけの人が次々にクルマにはねられるという現実の裏には、歩行者軽視の交通政策がある。(ノンフィクションライター 窪田順生) ● ドライバー厳罰化では 痛ましい事故は減らない クルマの安全技術をもっと進化させるべきだ。いや、それよりもまずは危険運転の厳罰化と、高齢者など危なっかしいドライバーの規制も本格的に検討すべきではないか――。 なんて感じで、呑気な議論をしている間に、またしてもクルマによって、何の罪もない人々の命が奪われてしまった。 昨日、滋賀県大津市で、散歩中に交差点で信号待ちをしていた保育園児たちの列に、普通乗用車と衝突した軽自動車が突っ込んで、2人の園児が亡くなり、9人が重傷を負ってしまったのである。 少し前に、87歳の元通産官僚の「踏み間違い暴走」によ