第1話「変な出会い」のテーブルの上。ロベルトが一人で注文したエスプレッソのデミタスカップがいくつも並んでいる 立春まであと十日ほどとは言え大寒のこと、まだまだ寒い日が続く。温かいコーヒーがうれしい季節である。そこで今回はコーヒーを主題にした映画、その名も「コーヒー&シガレッツ」(2003)をご紹介する。 テーブルに並んだコーヒーが物語るもの 本作はインディーズ映画の雄、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984)や「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1991)等の作品で知られ、現在「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」(2013)が公開中のジム・ジャームッシュが監督・脚本を手がけた。 他の長編と並行して撮り貯めてきた11本の短編をまとめたオムニバス映画で、各話ともこれといったストーリーは存在せず、登場人物がコーヒーを飲み、タバコを吸いながらとりとめもない会話をするというだけの内容だ。