学歴や経済的理由で就職活動が困難だったのに、生活保護の申請を認めないのは違法として、大阪府岸和田市の男性(41)が、市に却下処分の取り消しと100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は「生活保護の要件を満たしている」として却下処分を取り消し、約68万円の支払いを命じた。 判決などによると、男性は2008年2月に義母を介護するため岸和田市に転居し、新たに仕事を探したが見つからず、同年6月に生活保護を申請。しかし市は、男性に働く能力があるとして認めなかった。その後も09年7月に保護を始めるまで計4回の申請を却下した。 判決は、男性は申請時に所持金が400円しかなく、就職活動に行く交通費もない上、中卒でフォークリフト免許以外に資格がないため就労が極めて困難だったと指摘。「働く能力の有無だけでなく、年齢や健康状態、学歴、生活歴などを総合的に判断すべきだ」として
景気回復が、家計へと行き渡る道筋が見えない。 安倍政権は今月、厚生労働省の審議会で最低賃金の引き上げを要請した。アベノミクスが物価上昇を目標とし、来年に消費増税が控えている以上、低賃金層の底上げにつながる最低賃金アップは、当然の措置だ。景気回復の恩恵を一部の富裕層や企業にとどめてはならない。 最低賃金はアルバイトやパートを含めた従業員に支払う時給の下限で、京都府は759円だ。民主党政権も段階的に引き上げてきたが、参院選では与野党とも、賃上げ目標を掲げる党が目立つ。 問題はその次だ。賃上げと雇用の増加を、両立させることができるのか。 経営側からは、成長分野で新たな雇用を生むために、正社員を解雇しやすくできるよう規制緩和を求める声が強い。 総務省の労働力調査によると今年1〜3月の非正規労働者は1800万人を超え、うち不本意ながら非正規の人が348万人いる。雇用の流動化と失業対策だった派遣の原則
SMBC日興証券支店の30歳代の現役男性社員が昨夏、神奈川県内で一人暮らしをしていた認知症の女性(80)の弟(77)になりすまし、女性が別の大手証券2社に保有していた計約5000万円分の投資信託を電話で不正に解約させていたことが読売新聞の取材でわかった。 解約された資金は、日興で扱う外貨建て債券の購入に充てられた。同社から報告を受けた金融庁は実態を調べており、同社を指導する方針。 認知症など判断力が低下している高齢者らへの金融商品の販売を巡っては、説明が不十分などとして、他の証券や銀行も訴訟を起こされている。しかし、高齢者らが被害を訴えるのは難しく、表面化することは少ない。 日興の関係者らによると、男性社員は、厚木支店(神奈川県)で約2年前から女性を担当。昨年7月中旬〜8月上旬の複数回、私有の携帯電話などから大手証券2社に電話した。当初は女性が担当者と話していたが、「分かりません」と繰り返
生活が苦しく、さまざまなつまずきで人生を悲観した人が発するSOSはかすかだ。絶望し自ら命を絶つ人や無理心中する人は後を絶たない。最後のセーフティーネットである生活保護制度は、声にならない声をくみ取り、命を守るためにある。 政府が生活保護法改正案を閣議決定した。1950年の施行以来の抜本改正だが、申請時に収入や資産に関する書類の提出を求め、扶養義務がある親族への調査権限を強化するなど、保護費抑制を主眼とする内容だ。 申請段階の引き締め策は、助けが必要な人を締め出しかねない。 申請には口頭でもよいとの判例が確立している。北九州市や札幌市で、生活保護申請の意思を示していたのに拒否され、餓死する事案があった。申請時にあきらめてしまわないよう、配慮し援助する義務は行政側にあった。 改正案は、困窮者を門前払いする自治体窓口の「水際作戦」を横行させかねない。不正受給対策は受給開始後に生活状況をチェックし
浜松市は本年度、生活保護受給世帯の中学生を対象に進学支援事業に乗り出す。全市の生活保護世帯の約半数が居住する中区をモデル区に、中学3年生や不登校の生徒、障害のある生徒の高校進学をサポートする。教員免許を持つ「就学支援員」を配置して各家庭を支援する計画で、生活保護世帯で指摘されている「貧困の連鎖」の断絶を目指す。 中区ではおよそ45世帯の生徒が対象となる見通し。就学支援員はケースワーカーと被保護世帯を家庭訪問し、進学意欲の喚起や進路相談に取り組む。子どもの高校進学を当初から選択肢としない家庭もあるため、保護者に進学の重要性を説明する。夏休みの勉強会も開催する予定で、事業は民間委託する。 市福祉総務課は「高校進学を諦める生徒を1人でも2人でもなくし、将来の自立につなげたい」としている。同課によると、2011年度の市全体の高校進学率は98・1%に対し、生活保護受給世帯は81・9%だった。 「貧困
生活保護受給者らがギャンブルで浪費することを禁じ、市民にも通報責務を課す小野市の「福祉給付制度適正化条例」案について、市議15人(病気療養中の1人を除く)のうち過半数の11人が賛成の意向を示し、原案通り可決される見通しとなった。16日までの神戸新聞の取材で分かった。 25日の市会民生地域常任委員会を経て、27日の本会議で採決。成立すれば、4月1日から施行される。生活保護などの適正支給を目的とした条例は全国でも例がない。 条例案は、生活保護費や児童扶養手当の不正受給のほか、パチンコなどのギャンブルで過度に浪費することを禁止。市民の責務として、不正受給や浪費などの情報を市に提供することを定める。情報が寄せられれば、警察OBらによる適正化推進員が調査する。 15日に市会が開いた条例案の審査会では5人が賛成、1人が反対を表明。残る9人に神戸新聞社が賛否を尋ねたところ、6人が賛成、残る3人が「中立」
生活保護受給世帯が全国で最も多い大阪市は15日、受給者の扶養義務を負う親族の勤務先を調査した結果、公務員や会社経営者、医師など、安定した収入が見込める親族が計811人に上ったと発表した。 このうち市職員は164人だった。橋下徹市長は同日の市議会で、「市職員は身分も安定している。しっかり、(受給者への)援助を求めていく」と述べた。市は、扶養義務者に援助を働きかける場合の基準を作る方針。 昨年、人気お笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことが問題となったことをきっかけに、受給世帯11万9000世帯のうち、入院中などを除く8万8000世帯を調査。ケースワーカーが訪問し、親や兄弟姉妹など2親等以内の親族の勤務先を聞き取った。 (2013年3月16日11時04分 読売新聞) 橋下大阪市長の生活保護バッシングです。公務員(大阪市職員)バッシングも合わせて実行しているようです。 人気お笑い芸人の母親が
衆議院予算委員会で7日、民主党・長妻元厚労相は、政府が生活保護費を3年かけて740億円削減することを決めていることについて、生活保護の基準額を引き下げると低所得者を支援する他の制度にも影響する可能性があると指摘した。 長妻元厚労相「(生活保護の基準を下げると)生活保護以外の方々、低所得の方々に対して、その影響が波及する可能性のある制度の数というのは、大体いくつくらいと認識していますか」 田村厚労相「多岐にわたりますので、現在はそれを把握しておりませんが、できる限り影響を及ぼさないよう努力しようと、申し合わせを各閣僚としたわけです」 長妻元厚労相「どの制度が影響するのか把握していない。ただ、できる限り影響しないようにする。これ、無責任じゃないですか」 長妻元厚労相「(影響が及ぶのが)何万人程度なのか、人数はぜひ調査いただけないでしょうか」 安倍首相「影響が出る人たちについて把握している最中で
日常生活費分の生活保護費「生活扶助」が、3年で7.3%減らされることが決まった。影響は受給者だけでなく、一般低所得層にも及ぶ。各種給付金や負担軽減を受けられる所得基準は、多くが生活保護の水準を参考に決められているからだ。田村憲久厚生労働相は27日、他制度への影響を和らげる意向を示したものの、内容はまだ見えてこない。【遠藤拓、鈴木直】 ◇最低賃金上げ、難しく 「整合性」の大義失われ 「生活保護の切り下げが影響するなんて」。東京都内に住む40歳代の女性は、中学3年生の次男分として受けている年十数万円の就学援助がなくなるかもしれないと知り、ため息をついた。家計は次男の週1500円程度の交通費にも圧迫されるのに「もっと切り詰めることになるのか」との不安が頭をよぎる。 就学援助は家計の苦しい世帯に小中学校の学用品代などを支給する制度だ。11年度の受給者は95年度(約77万人)の2倍、156万人超。対
神奈川県警海老名署は30日、住所不定、無職石田節男容疑者(61)を強盗容疑で緊急逮捕した。 発表によると、石田容疑者は同日午前3時15分頃、海老名市杉久保南のコンビニ店「スリーエフ海老名杉久保店」に押し入り、男性アルバイト店員(44)に包丁を突き付けて「金を出せ」と脅し、現金約7万2000円と菓子パン2個などを奪った疑い。 店員の通報で駆けつけた署員が、店から約500メートル離れた路上で、徒歩で逃走中の石田容疑者を発見。容疑を認めたため逮捕した。調べに対し、石田容疑者は「最近、路上生活を始め、10日ぐらい食事をしていなかった」と話しているという。 (2012年12月31日10時39分 読売新聞) 犯人の年齢は61歳と一般的に高齢者とされる65歳には到達していませんが、多くの場合生産活動からリタイアする年齢でもありますので高齢者の犯罪とみていいでしょう。 上記記事の事件から、高齢者の犯罪の特
サラリーマンが加入する健康保険の財政が悪化し、保険料の上昇を招いている。高齢者医療への巨額の支出が原因だ。これ以上重い負担を現役世代に求めるのは避けるべきだ。 65歳以上の高齢者の医療費は、高齢者自身の保険料や窓口負担のほか、公費と健保組合などからの拠出金で賄われている。その拠出金が、2008年にスタートした高齢者医療制度で急増したため、多くの健保は赤字に転落した。 財政難から、健保は労使で負担する保険料を上げざるを得ない。中小企業の従業員が加入する協会けんぽでは従来の8・2%から10%に、大企業の健保組合も7%台から平均8・3%に上昇した。 団塊世代が今年から65歳にさしかかり、高齢者の医療費は今後さらに増えるだろう。保険料率は際限なく上昇する恐れがある。 企業経営の重荷になる上に、賃金の手取りが減り、景気や消費に悪影響を与えかねない。 それを防ぐには、高齢者にも応分の負担を求めざるを得
自民党の生活保護プロジェクトチーム(PT)は20日、自治体が食費などを現物給付することを可能とする制度導入を盛り込んだ生活保護法改正案の骨子を了承した。世耕弘成座長は光熱水費や食費に充てる生活扶助に関し、衆院選後に自民党が政権を担った場合、平成25年度予算編成で基準を引き下げる方針を示した。改正案は衆院選後、PTの上部組織である社会保障制度特命委員会や厚生労働部会などに諮られる予定だが、受給者に厳しい内容が含まれており、原案通りに了承されるかどうかは不透明だ。 医療費にあたる医療扶助の適正化では、受給者の需要を踏まえて月ごとの受診回数制限を設定し、それを超える場合は再申請させることで不要な受診を防ぐ。親族が受給者を扶養できない場合、その理由を親族に求め、無回答や虚偽報告に対する罰則を設ける。不正受給の返還金にはペナルティーとして40%程度の加算金を上乗せする。 2012.11.20 11:
超高齢化・少子化対策は政治が火急に取り組むべき課題である。日本の人口は05年に戦後初めて前年を下回り、10年以降は加速度的な減少局面に入った。経済や社会全体の地盤を揺るがせる人口減少に突入して初めての総選挙でもある。持続可能な社会保障をどう構築するかは重要な争点だ。 税と社会保障の一体改革で民主・自民・公明の3党合意は成立したが、中長期的な将来ビジョンの策定はこれからが本番だ。錯綜(さくそう)し続けた社会保障改革論議の中から重要な理念の違いが浮かび上がっている。 ◇弱まる自立の基盤 芸能人の親が生活保護を受けていたことをきっかけに自民党は生活保護行政を批判し、保護費の1割削減を盛り込んだ社会保障改革案を打ち出した。自分の生活は自分自身や家族による助け合いで支える「自助・自立」を基本とした改革である。それ以前から子ども手当を「子どもを育てるのは親の責任」と批判、最低保障年金にも反対するなど、
厚生労働省は28日、生活保護制度の見直しを柱とする生活支援戦略の素案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に示した。罰則の引き上げや地方自治体の調査権限拡充などで不正受給の対策を強化。就労できる受給者が早く自立できるように、支援付きで軽作業の機会を提供する「中間的就労」の導入も盛り込んだ。年内に最終案をまとめ、来年の通常国会への関連法案提出をめざす。 2012年度の生活保護費は3.7兆円にのぼり、6月の受給者数は戦後最多の211万5千人に達した。不正受給は10年度に128億円まで膨らんで国民の批判が高まっているため、早急な改善に乗り出す。 不正対策では、生活保護法で「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定めた罰則の引き上げを検討する。罰金額を「100万円以下」としている国民年金法を参考に具体策を詰める。 不正が発覚した場合はその金額を返還させるだけではなく、ペナルティーとして制裁金を加
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