37年前、英国の有権者は歴史的な選択をした。初の女性首相マーガレット・サッチャーを誕生させ、国の進路を変える改革をまかせた。その再演か。EU(欧州連合)離脱の国民投票を受け登板した2人目の女性首相テレサ・メイは、初代とは逆向きに舵を切る。 先月初め、バーミンガムでの保守党大会で演説したメイ首相は、BREXITの投票結果を、不平等な社会に不満な人々が変革を求めた「静かな革命」と指摘。個人や地域社会や市場にできないものを供するのが政府の役割で、市場への介入も辞さないと明言した。 保守党は「普通の労働階級の人たち」のための党であり、その立ち位置を「左派の社会主義者、右派のリバタリアン(自由至上主義者)を排した中道」とした。 この分類だと、1979年に政権の座についたサッチャー首相は「リバタリアン」に近い。「小さな政府」を看板に、所得税のフラット化、国有企業の民営化、金融ビッグバンなどの規制