中国政府の介入で「一国二制度」の形骸化の危機が叫ばれている香港でいま、民主化運動に関わってきた人々への政治的弾圧が激しさを増している。雨傘運動でリーダー的役割を果たした若者3名に対し、香港の高等法院はこのほど第一審の判決を大きく変更し、重い実刑判決を下した。「政治犯を作り出している」との批判が香港内外で高まるなか、中国政府の意向を受けたとみられる香港政府主導のもと、さらに多くの民主化運動のリーダーが入獄や破産に追い込まれつつある。民主化運動の代表的存在で、香港社会でその長髪から「長毛」の愛称で親しまれているベテラン政治家、野党・社会民主連線(社民連)幹部の梁国雄氏に話を聞いた。梁国雄氏も昨年の立法会選挙で当選したものの、議員就任の宣誓方法をめぐって「宣誓文の読み方が適切ではない」などの理由で香港政府から訴えられ、先日、議員資格を喪失したばかりだ。(取材・執筆:野嶋剛) 「雨傘運動」の若者た