検事による虚偽の捜査報告書問題について、小川敏夫前法相が十九日の参院法務委員会で法務省を徹底追及した。刑事局長は捜査中を理由に事実確認を拒んだが、身内に甘い処分を決めるようでは、とても検察立て直しどころではない。
検事による虚偽の捜査報告書問題について、小川敏夫前法相が十九日の参院法務委員会で法務省を徹底追及した。刑事局長は捜査中を理由に事実確認を拒んだが、身内に甘い処分を決めるようでは、とても検察立て直しどころではない。
社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる民主、自民、公明三党の修正協議は、打ち切りの期限だった十五日夜、合意した。協議に参加した三党は、温度差はあるもののいずれも消費税増税に前向きだ。最近の世論調査では、反対もしくは慎重な意見が過半数を占める。その世論を代弁する政党が締め出される形で、消費税増税が事実上決まった。 三党協議は八日に始まった。増税だけでなく年金、子育てなど広範な政策課題が議論のテーマだったが、大半の時間は政策論ではなく、各党のメンツ争いに割かれた。 例えば年金制度については、法案の書きぶりを、自民党案の「現行制度を基本に必要な見直しを実施」から「財政の現況、見通しなどを踏まえ…」と変えるのに二日間を費やした。「現行制度を基本」とすると自公政権時代から続く制度を追認することになる。それに民主党が難色を示したためだが、そのような話は、国民生活には全く関係ない。
民自公三党が「一体改革」法案の修正に合意した。社会保障の抜本改革を棚上げするなど一体改革には程遠いにもかかわらず、消費税は上げるという。この際、増税も棚上げすべきではないのか。
日銀は十五日の金融政策決定会合で、景気判断を前月の「横ばい圏内にあるが、持ち直しに向かう動きが明確になりつつある」から「緩やかに持ち直しつつある」に引き上げた。ただこの日は消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革で民主、自民、公明三党の修正協議が佳境を迎えたタイミング。それだけに、市場では「増税を後押しする狙いもあるのでは」との見方が出ている。 (白石亘) 白川方明総裁は同日の記者会見で景気判断を引き上げた理由について、堅調な国内需要に加え、「輸出や生産が横ばいからプラスになった」と述べ、海外需要の取り込みが決め手になったと説明。金融政策は現状維持とした。 従来の景気回復は、生産や輸出をエンジン役に外需を取り込み、それが所得増を通じて、個人消費など内需に波及するパターン。ところが今回は復興需要のほか「個人消費も予想外に健闘」(白川氏)し、むしろ内需がけん引役となったと強調した。
日銀が追加の金融緩和に踏み切った。だが、相変わらずの小出し策にとどまり、効果は期待できない。本気でデフレ脱却を目指すには、インフレ目標の引き上げと目標達成期限の明示が不可欠だ。 日銀は国債など資産を買い入れる基金枠を現在の六十五兆円から五兆円程度増やす。国債の買い入れ枠を十兆円増額する一方、既存の金融機関向け融資枠を五兆円減らし、差し引きでは五兆円の増額になる。
野田内閣が消費税率引き上げ法案を閣議決定した。有権者が民主党に政権を託した二〇〇九年衆院選のマニフェストのどこにも、消費税率を引き上げるとは書いていない。明らかに「国民との契約」違反だ。 付言すれば、菅直人前首相が消費税増税を掲げて戦った一〇年参院選で民主党は惨敗している。国民の支持が得られなかった政策を臆面もなく再び持ち出すとは、民主党も神経がずぶとくなったものだ。それが政権与党らしさだとしたら、あまりにも悲しい。
野田佳彦内閣が消費税引き上げ法案を閣議決定しました。これから国会審議が始まります。そこで、あらためて増税問題を根本に戻って考えてみたい。 閣議決定にこぎつくまでに民主党内では連日、深夜未明まで激しい議論の応酬が続きました。最後まで争点になったのは、景気が好転しなければ増税を凍結するかどうかをめぐる景気条項です。 結論を言えば、条文は玉虫色になりました。増税を目指す政府側は「経済成長に努力すれば増税できる」と条文を解釈し、反対派は「実質2%、名目3%成長が達成できなければ増税できない」と受け止めています。
政府は三十日の閣議で、社会保障と税の一体改革に関連し、消費税率を段階的に10%に引き上げることを中心とした税制改正法案を決める。一体改革の内容と国民生活への影響を点検する。
原発事故の際、現地の対策拠点として全国に十六カ所あるオフサイトセンター(OFC)に、いまだに十キロ圏外の詳しい地図が用意されていない。東京電力福島第一原発の事故では、発生翌日、避難地区が一気に二十キロ圏にまで拡大し、地図がなかったため、避難すべき住民を確定させるのに手間取った。OFCをめぐっては、原発にあまりにも近い立地など抜本的に見直す必要があるが、事故から一年たっても、地図の備えすら改善されていない。 「『地図がない』と騒然となった。そのうち誰かがどこからか探してきて、地図に線を引き始めた」。1号機原子炉建屋が水素爆発し、避難区域が十キロ圏から二十キロ圏に広がった昨年三月十二日に福島のOFCにいた経済産業省原子力安全・保安院の黒木慎一審議官は、当時の状況をこう語る。 現行制度では、原発から半径八~十キロを防災対策重点区域(EPZ)に指定し、事前に避難計画などを定めておくことになっている
「大学の非常勤講師の窮状を知ってほしい」。こんな声が生活部に届いた。大学教育を支えているのに、生活を満足に支えられない収入に甘んじ、厚生年金をはじめ社会保険にも十分に加入できない。授業中の講義室以外に大学に居場所もなく、常に雇い止めの不安を抱える不安定な立場だという。 (稲田雅文) 「学生も先生が週一度のパート労働者だと思っていないと思います。実情を話すわけにもいかない」。関西地方でフランス語やフランス文学を教える非常勤講師の五十代男性は自嘲気味に話す。 男性は関西の公立と私立の三大学で九十分間の授業をそれぞれ一週間に二コマ、計六コマを受け持っている。報酬は一コマ当たり月二万五千円、一回の授業だと六千円を上回る程度。あとは交通費が出るだけだ。年収は二百万円に届かず、上がる見込みもない。
日銀がインフレ目標の導入を決めました。遅きに失した感がありますが、効果はさっそく出ています。ここで政府と日銀はもう一歩、踏み込まねば。 日銀が十四日に目標の導入を発表すると、まず為替市場が円安に動きました。半年ぶりの一ドル=八〇円台です。株式市場も好感し、東京証券取引所の平均株価は九五〇〇円台を回復しました。ギリシャの債務金融危機が一段落した影響もありますが、日銀が果断に動けば金融市場も反応します。
火力発電の主力燃料、液化天然ガス(LNG)を世界一の高値で買えば電気料金も自(おの)ずと高くなる。唯々諾々と産ガス国の言い値に従い、消費者にツケを回す電力業界の構造は限りなく背信に映る。 東京電力は企業向け料金の値上げ発表に続き、家庭向けも国に値上げ申請する。原発が失った発電能力を火力で補っているため、燃料費が年八千億円以上増え赤字経営に陥るからだという。
日銀が事実上の「インフレ目標」導入を決めた。だが、物価安定の達成は本来、政府の責任でもある。目標設定を日銀だけに委ねてしまうのではなく、政府が関与する仕組みを真剣に検討すべきだ。
欧州連合(EU)が加盟国の財政規律を強化する新しい協定の締結で合意した。財政赤字の歯止めになる一方、財政運営を硬直化させ、結果的に不況を一段と加速する懸念もある。もろ刃の剣だ。 EUには、これまでも各国の財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内とする財政安定化協定があった。だが、実際には独仏などが違反しても容認されてきた。
福島第一原発事故以来、原発の「安全神話」が崩壊し、東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発も「廃炉」と「再稼働」の間で揺れる。福島の事故後、「脱原発」を明確に掲げる村上達也村長に思いを聞いた。 (近藤統義) (国の考えは)原子力業界を守ろうというのが中心で、住民を守ろうという視点が全くなかった。震災直後、村の放射線量が跳ね上がった際、文部科学省から出向している職員にSPEEDIについて尋ねたが結局、(拡散予測は)出なかった。炉心溶融も五月にやっと認めたが、村の専門家の間では震災二日後くらいに(炉心溶融の)話が出ていた。いいかげんというか情報の隠ぺいだ。
債務・金融危機の渦中にある欧州連合(EU)が英国を除く新条約の制定で合意しました。財政統合を目指す方向は妥当ですが、道のりは遠く険しい。 先週末まで息詰まるような十日間でした。欧州が危機の打開策作りに失敗すれば、世界経済は信用収縮の嵐に見舞われ、再び深刻な不況に陥りかねない。そんな懸念が世界を覆っていました。
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