中国経済の減速がはっきりしてきた。いま政府公式発表の7%成長を信じる専門家は、ほとんどいない。日銀の黒田東彦総裁は「6~7%成長が可能」と話しているが、財務省が目指す10%への消費税再引き上げを確実にしたい思惑が見え見えだ。
中国経済の減速がはっきりしてきた。いま政府公式発表の7%成長を信じる専門家は、ほとんどいない。日銀の黒田東彦総裁は「6~7%成長が可能」と話しているが、財務省が目指す10%への消費税再引き上げを確実にしたい思惑が見え見えだ。
個人消費の大幅な落ち込みにより四~六月期の国内総生産(GDP)がマイナスに転落したことは、景気の先行きが予断ならないことを意味する。行き詰まりを見せるアベノミクスを修正すべきだ。 何より消費の低迷である。根本にあるのは、生活必需品の値上げなど家計の逼迫(ひっぱく)や雇用劣化、格差拡大などアベノミクスの弊害であることは明らかだ。実体経済の改善よりも、まず物価を上げようとするアベノミクスの「実験的政策」は間違いで、ただちに軌道修正してほしい。 四~六月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・4%減、三・四半期ぶりのマイナスである。GDPの約六割を占める個人消費が大きく落ち込み、米国や中国の景気減速で輸出も低迷した。設備投資もマイナスに転じ、日本経済は正念場だ。
二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場の建設費に関し、財務省と文部科学省が合意し、事業を進める独立行政法人の計画に昨年十二月、「国費(国の予算)以外の財源で賄う」との文言を盛り込んでいたことがわかった。既に三百九十億円の予算を投入した財務省は今後の国費計上には慎重姿勢。財源が確保できないまま見切り発車した文科省の「場当たり的」計画への批判が高まっている。 (山口哲人) 五輪関連施設を新設する際の財源について政府は一一年十二月、「財政改革が喫緊の課題」として「多様な財源の確保に努力する」ことを基本方針として閣議了解している。「多様な財源」について、下村博文文科相は「国費を基本とする考え方はとられていない」としている。この閣議了解を受け、新国立競技場の建設費用について文科省と財務省は一三年一月、「多様な財源の確保のあり方などを踏まえる」ことで合意。一三年度予算に新競技場の
二〇二〇年東京五輪・パラリンピック大会の主会場になる新国立競技場(東京都新宿区)の建設で、文部科学省などと施工予定のゼネコン二社が、総工費二千五百二十億円で契約する方針を決めたことが分かった。基本設計時の千六百二十五億円から約九百億円膨らんだが、めどが立った財源は、国の税金(国費)など五百億円程度。文科省が都に負担を求める五百億円やスポーツ振興くじの売り上げを活用しても、当面見込めそうな財源は合計約千四百億円で、一千億円以上が不足する。 (山口哲人、沢田敦) 文科省と、所管する事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は月内にも、大成建設、竹中工務店と正式合意し、七月上旬までに契約する。屋根を支える二本の巨大アーチなど基本のデザインは維持する。着工は予定通り今年十月の方針。ラグビーワールドカップ(W杯)の開催半年前に当たる、一九年三月の完成を目指す。 デザインの実現性など見通しの甘さから
人間のすることとは思えない行為を、さも平然と行う。中東や北アフリカでの過激派組織の蛮行は冷酷非道、無慈悲といった言葉しか見つからない。 しかし、この一見平和に思える日本においても、忍び寄る不気味な不安を感じる。軍靴の音が近づいてくるような、暗い時代に向かっていく恐怖である。その正体は無論、現政権がつくり出す危うい雰囲気による。 「決めるのは私だ」「この道しかない」などと異論を許さず、道理や機微が通じない。狡猾(こうかつ)で専制的。首相は昨年十一月の衆院解散を消費税増税先送りを問うためと言った。アベノミクスが争点とも強調した。なのに選挙の大勝が判明した途端、安保法制を含む政策全般が「国民の信を得た」と言ってのけた。 そんな詭弁(きべん)は子どもの教育に悪いからやめてほしいが本人は本気のようだから恐ろしい。一内閣の判断で戦争への道を暴走しているかのごとくだ。このままでは国防軍になった自衛隊が他
太平洋戦争中、高級品だったイチゴが不要作物とされ、栽培が制限されたという歴史を知る人は意外に少ない。全国有数の生産量を誇る栃木県の元職員の男性が今春、こうした経緯を自ら調べ、一冊の本にまとめた。十三年間かけて、県内各地で八十人以上から証言を得た。イチゴを育てただけで弾圧されたという信じ難い出来事が、戦後七十年の今、戦争の愚かさを伝える。 (大野暢子) 栃木県都賀(つが)町(現栃木市)の男性は、戦前から戦中にかけ、観光イチゴ園を営んだ父親の記憶を語ってくれた。約百四十アールで露地栽培し、春から初夏にかけての収穫期は、入場料三十銭で園を開放。電車の中に園のポスターを張るなど、東京向けの宣伝にも力を入れ、一日に最大約三百人が訪れた。 しかし、太平洋戦争が激しくなると、食糧増産のため、行政がコメや麦の生産を奨励するようになった。男性の父親は、県の役人に「(イチゴの苗を)即刻抜いて、麦を育てろ」と非
テロリストたちの残虐な行為が連日のように報じられている。テロとの戦いは中東にとどまらず、世界中に広がった。
過激派組織「イスラム国」の迫害から逃れるため、日本に避難しているイラク人女性小児科医=3日(浅井慶撮影) 「自分を助けてくれた、この平和な国の人も殺されてしまった」。イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」による迫害から日本に逃れ中部地方に住むイラク人女性小児科医(45)は、日本人人質事件に深い悲しみを感じている。来日後もメールによる脅迫がある中、三日、複雑な思いを本紙に明かした。(森若奈、小松田健一) この女性はイラク北部の中心都市・モスルに近いカラコシュで暮らしていた。キリスト教徒が多く住む街だった。昨年六月、「イスラム国」がモスルを制圧すると、カラコシュでも水や電気が止まり、間もなく「イスラム国」による迫撃砲の大規模攻撃が始まった。 身を守るため、母親や弟家族と一緒に車で街を脱出し、東に七十キロ離れたクルド人自治区の都市・アルビルへ向かった。着の身着のままで「なぜ私たちがこんな目
あらかじめ設定した時間だけ働いたとみなして賃金が支払われる裁量労働制について、厚生労働省が対象の一部営業職への拡大を検討していることが分かった。一月に始まる通常国会に労働基準法の改正案を提出する方針。 安倍政権は労働分野での規制緩和を進めており、一定要件を満たす労働者を労働時間規制から除外する新制度の導入とともに、裁量労働制の対象業務の拡大を成長戦略に盛り込んでいた。
自民党は今年、改憲に向けた準備を本格化させる構えだ。公明、民主など与野党六党に改憲案作りを呼び掛けるほか、改憲の必要性を訴える漫画の配布も予定している。昨年十二月の衆院選で勝利した勢いで思惑通りに進めば、二〇一六年夏の参院選で改憲の是非を問うことを視野に入れるが、国民は改憲を積極的に求めておらず、支持を得られるとは限らない。(大杉はるか) 自民党の谷垣禎一幹事長は年頭の所感で「憲法改正実現に向けた議論を国民の理解を得ながら進める」と表明した。同党の憲法改正推進本部の礒崎陽輔事務局長は「参院選までに改憲案を作りたい」と意欲を示している。 改憲案の内容は、一月下旬に召集される通常国会の会期中に、超党派のプロジェクトチーム(PT)を設置して議論する方針。護憲を主張する共産、社民両党を除く民主、維新、公明、次世代、生活、改革の六党に参加を呼び掛ける。
大学入試センター試験を廃止して「大学入学希望者学力評価テスト」を年複数回実施する大学入試改革案を、中央教育審議会(中教審)が二十二日、下村博文(はくぶん)文部科学相に答申した。今の小学六年が高校三年になる二〇二〇年度から導入。各大学の個別入試も筆記の点数だけではなく、面接や小論文、集団討論などを活用して選抜するよう求めた。 改革は「知識偏重型」から、思考力や判断力を多面的に評価する「知識活用型」への移行を目指す。一九七九年に共通一次試験が導入されて以来の抜本改革だが、公平性の担保など課題も多い。 学力評価テストは、マークシート方式に記述式を加え、成績は一点刻みではなく段階で示す。将来的には、教科の枠を超えた設問のみでの評価を目指す。英語は「読む」「書く」以外に「聞く」「話す」の評価を求め、英検やTOEFL(トーフル)など民間試験の活用の検討も提言した。
今回の衆院選では、現在の消費税率8%を10%へ引き上げる時期をめぐり、主要十党の主張がぶつかっており、争点として浮上している。自民、公明両党の与党は二〇一七年四月に確実に引き上げると明言。民主党など四野党は「決めるべきでない」、共産党など四党は引き上げそのものに反対している。 (木谷孝洋) 安倍晋三首相(自民党総裁)は一五年十月に予定されていた消費税率10%への引き上げを一七年四月まで一年半延期すると表明した。あくまで延期であって、それ以上先送りするつもりはない。首相は衆院解散に当たり、景気の動向次第で増税を停止できる「景気条項」を消費税増税法から削除し、「一七年四月から確実に引き上げる」と明言した。 その後「(世界同時不況の引き金となった)リーマン・ショック級の経済の収縮が起これば対応する」と述べたが、それくらいの事態に陥らない限り、衆院選で与党が勝てば、消費税率は自動的に約二年半後に引
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