ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/satire (22)

  • わが大統領トランプの「滅私奉敵」精神(パックン)

    中国との貿易戦争でも、北朝鮮の非核化でも、ロシアの米大統領選介入疑惑でも、トランプはいつもアメリカではなく「敵国」に尽くしている!> ジョン・F・ケネディ元米大統領は就任演説で「Ask not what your country can do for you. Ask what you can do for your country(国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問いなさい)」と、私利私欲ではなく滅私奉公の精神を国民に求めた。 風刺画ではドナルド・トランプ大統領が「国」を「敵(enemies)」に置き換えている。無理やり四字熟語で表すなら「滅私奉敵」の精神だ。 実際、トランプアメリカの「敵国」に尽くしている。 中国には貿易問題で厳しく臨んでいると思われるが、同時に日などの同盟国に対しても鉄鋼やアルミの輸入に追加関税をかけている。中国は孤立

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    Baatarism 2018/07/26
  • 中国サッカーを縛るサッカーくじの見えない「鎖」

    中国人はサッカーには熱狂するが、その動機は? (c)2018 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <中国人が熱狂するサッカーW杯――しかしその動機はサッカーそのものよりサッカーくじで、サッカー精神などには「無関心」> 「日人?」「いや、中国人」「何しに来たの? 中国はW杯に出ていないのに......」 現在、ロシアサッカーワールドカップ(W杯)が開催されている。W杯会場に行く中国人は10万人以上。中国中央電視台(CCTV)はロシアに約30億元(約500億円)の収入をもたらすと報じている。だがW杯会場にいる中国人は、こんな気まずい質問をよくされる。 W杯会場にいる中国メディアも同じだ。日のスポーツメディアがこんな記事を書いた。試合が近づくにつれ、メディアセンターは各国の記者たちであふれ始める。みんないい席を取ろうと先を争うなか、大声

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    Baatarism 2018/07/07
  • まるで「移民の子さらい」、トランプに注意!(パックン)

    <不法移民の摘発を強化したトランプ政権によって、6週間で約2000人の親子が引き離された。子供が人身売買組織に渡されたり、親だけが強制送還されたりするケースも> 今回の風刺画はたいして面白くない。逆に怖いと言っていい。それもそうだ。怖くなって当然のような事実を風刺しているから。 「熊出没注意!」というような標識に描かれているのはメキシコ国境を越える3人家族。命からがらで最悪の境遇から逃げ出したのか、必死に走っている様子だ。そこで後ろから小さな子供をさらっているのは何だか恐ろしいモンスター......ではなく、ドナルド・トランプ米大統領だ。 日ではあまり報道されていないが、トランプ政権の移民政策はこの風刺画のとおりの醜態を生み出してきた。歴代政権では、不法移民が捕まったら移民局で審査され、入国が認められるかどうかの判決を受けた。積極的に取り締まって強制送還するのは、国内で犯罪を起こした人が

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    Baatarism 2018/06/30
  • 富裕層の海外留学は中国大学受験のずるい抜け道

    <毎年6月に実施される高考(全国統一大学入試)に向けて中国の受験生は「受験工場」での猛勉強に追われるが、富裕層の子弟は中学から海外に留学して名門大学にも楽々入学できる> 白(パイ)おばあさんは79歳、孫と2人暮らし。孫が1歳の時に両親は離婚した。かわいそうな子だ、大学に行かせて出世させようと思って、白おばあさんは借金をして実家を離れ、孫を安徽省の毛坦廠中学に入学させた。 受験生活を支えるために付き添って下宿でご飯を作り、日常の世話をする親たちを中国語で「陪読家長(付き添いの保護者)」と呼ぶ。毛坦廠中学の受験生は2万人以上、「陪読家長」も1万人を超える。白おばあさんはその中の1人なのだ。 これは中国のドキュメンタリー映画にあった実話だ。毛坦廠中学は山奥にあるが、大学合格率は常に90%超。生徒は毎朝5時半起床、6時20分には教室で自習開始。トイレの時間も厳しく制限され、昼と夕の各40分間以

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    Baatarism 2018/06/21
  • 夫婦の子づくりを中国共産党が振り回す

    中国の悪名高い「一人っ子政策」は2015年末に「二人っ子政策」へと転換されたが、その後も若い世代は出産に対して消極的> 先日、米ブルームバーグが公表した「中国が年内に産児制限による計画出産政策の完全撤廃を検討」という記事が中国のネット上で爆発的な話題となっている。当なのか! ネットユーザーたちはびっくりし、そして疑問を抱いている。 今の中国は13億人を超える人口大国だが、1949年に新中国が成立した当時は5億4000万人だった。毛沢東の「いずれ人口は武器になる」という考え方によって、冷戦時代に人口は国家戦略と位置付けられ、50~60年代には子供をたくさん産んだ女性が「英雄母親」として政府から表彰された。 「英雄母親」のおかげで、80年代初めに中国の人口は10億人を超えた。しかし平和な時代において、有限な社会・環境資源を消費する膨大な人口は政府にとって頭痛の種。そのため82年の年末、70

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    Baatarism 2018/06/08
  • 四川大震災の「震災日」に政府への感謝を迫る中国

    <学校の校舎が倒壊して多くの子どもたちの命が奪われたが、中国政府は手抜き工事の責任追及もしていないし、真相も明らかにしていない> 2008年5月12日現地時間14時28分、四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川県で大震災が発生した。中国政府によると、死者6万9000人、負傷者37万4000人で1万8000人が行方不明。莫大な被害の中で、最も注目されたのは生徒たちの被害だった。「豆腐渣工程(手抜き工事)」の横行で、学校校舎の倒壊が四川省だけでも6898棟に上った。しかし、生徒の死者数は政府の数字が時期によってばらばらで一致しない。 08年に公表された死者数を調べると、5月21日6376人、5月26日4737人、8月21日5659人と二転三転。11月21日に四川省副省長が1万9065人という数字を発表したが、その後、うっかり言い間違えたと釈明した。生徒の死者数の詳細は今も謎のまま。彼らの名前

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    Baatarism 2018/05/24
  • 米中貿易戦争の本質は価値観のぶつかり合い

    アメリカは国交を通じて中国に価値観も輸出して普及させようともくろんだが、それは失敗だったようだ> 「この世の中には2つの論理がある。1つは論理、もう1つは中国式論理」。中国人の若手人気作家、韓寒(ハン・ハン)は以前、自国政府にこう皮肉を言った。近頃の米中貿易戦争のにぎやかさを見て、この言葉を思い出した。人間はみんなそれぞれの価値観によって論理の出発点を選ぶ。表面的には米中間の貿易戦争に見えるが、その質は価値観の戦いじゃないか? 今回の貿易戦争の起因は、不公正な貿易慣行に対し大統領判断で関税引き上げなどの制裁措置が取れると定めた米通商法301条に基づく調査結果だ。それによると2010年以来、中国側は米企業の中国進出時に技術譲渡を義務付けないことを公式の場合だけで少なくとも8回以上承諾したのに、相変わらず技術譲渡を続けさせている。また2001年のWTO加盟後、中国の官僚たちは書面的な要求を

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    Baatarism 2018/05/11
  • 米環境保護庁(EPA)長官は、ただいま税金燃焼中(パックン)

    トランプ政権のトンデモ人事の中でも最たるものがEPA長官のプルイット――環境を保護しない政策を次々に実行するばかりか自分と仲間のために公金をじゃんじゃん浪費中> ドナルド・トランプ大統領の閣僚指名には「逆キャスティング」が目立った。ブラック企業の社長を労働長官に! 反公立教育運動家を教育長官に! そして今回のキーパーソン。地球温暖化を疑問視する、環境保護庁(EPA)反対派のスコット・プルイットをEPA長官に! 放火魔を消防署長にするような人事だ。 プルイットがEPA長官になると案の定、有害な化学物質の販売を許可したり、発電所や自動車の排気規制を緩和したりと、環境を保護しない方向に舵を切った。でも、国民が気で怒りだしたのは今回の風刺画が指摘する公金の浪費だ。 例えば、昨年12月のモロッコ出張。専門家1人、古い仲間6人を連れて、公務と関係なく経由地のパリで2日を過ごした。 旅費は4日でなん

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    Baatarism 2018/04/26
  • 中国の花見も梅・牡丹より今は桜

    <もともと中国人は伝統的な美意識を代表する梅や牡丹の花が好きだったが、最近は日の影響で各地に桜の名所ができて賑わっている> 2年前の3月、渋谷109 の大型スクリーンに広告が流れた。「武漢/世界の桜の郷/武大へ花見にいらっしゃい!」 「武大」は中国・湖北省の武漢大学。大学内には昔、戦争中に日軍が植えた「国恥の桜」と、日中国交回復後に友好の印として植えた「友好の桜」の計1000 以上の桜がある。この数十年、ネットの普及で「武大桜」は人気が広がり、中国の花見の名所になった。多いときには1日20万人が殺到して、花見客が花びらより多いと揶揄されたこともある。 でも、武大桜はもう人気を独占できない。中国各地に次々と桜の名所ができたから。北京市にある玉渊潭公園や上海の魯迅公園への花見客は多く、また昨年開園した杭州の桜花園では6万が植えられ、今年も桜祭りでかなりにぎわっていた。 もともと中国人は

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    Baatarism 2018/04/19
  • 中国の「精神的日本人」は軍事オタクにあらず(李小牧)

    <王毅外相が激怒した「精神的日人(精日)」の若者たちが当に表現したかったのは、中国政府に対する不満> 「中国人的敗類(中国人のくず)!」 かつて駐日大使も務めた中国の王毅(ワン・イー)外相が3月上旬、記者に向かって吐き捨てた。念のため言うが、「中国人のくず!」は私ではない(笑)。 普段は冷静な彼が怒りを爆発させた相手は、「精神的日人(精日)」と呼ばれる中国人だ。「精日」が一気に注目を集めたのは18年2月。中国人の20代の若者2人が旧日軍の軍服を着て、南京市内の日中戦争の遺跡の前で記念撮影した写真がネットにアップされ、大騒ぎになったのだ。 「精日」とは、「精神的に自分たちを日人と同一視する人々」のこと。中国人や台湾人には以前から、日ファッション文化に憧れる「哈日(ハーリー)」と呼ばれる人たちがいた。決定的な違いは、「精日」が日を崇拝すると同時に祖国や同胞を徹底的に敵視、軽蔑

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    Baatarism 2018/04/03
  • 昼ドラよりすごいトランプ政権人事劇(パックン)

    次々に高官が去っていくホワイトハウスは空っぽになる? (c) 2018 ROGERS─PITTSBURGH POST─GAZETTE <重要人物が消え続けるトランプ政権を見れば、誰もがトランプが社長役を務めたあのリアリティー番組を思い出す> Youʼre fired!(おまえはクビだ!) ある企業への就職を懸けて競い合う数人の候補者を、社長がこのセリフで1人ずつ減らしていく。そんな設定のリアリティー番組があった。社長を務めていたのはドナルド・トランプだ。 重要人物が消え続ける今のトランプ政権を見て、誰もがこの番組を思い出す。風刺画にも、空っぽのホワイトハウスが描かれているが、司法長官代理、大統領補佐官数人、広報部長4人、FBI長官、報道官、厚生長官、国務長官などなど1年余りで数十人が削られた。最高のファーストシーズンだ! なんて面白がってはいられない。これは政府の話だ。番組に負けないぐらい

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    Baatarism 2018/04/01
  • 中国で進む習近平の官製トイレ大革命

    <悪名高い中国のトイレを改善する「トイレ革命」を習近平が推進したところ、党官僚の忠誠心を示すチャンスに使われ豪華トイレが全土で増加中> 習近平(シー・チンピン)政権は「トイレ革命」を推進している。トイレ問題は小さなことではない。文明発展の重要課題だから、観光地や都会だけでなく、農村の人々も衛生的なトイレを使えるようにしろ、と習近平は最高レベルの指示を出している。 なんでも丸見えと評判の中国の「ニーハオトイレ」は、世界でかなり悪名高い。昔の中国は貧乏で、「民はを以て天と為す」ことばかり考えていて、トイレ事情はほぼ無視されていた。ところが今は飽ダイエットが品格という時代なので、「民は厠(かわや)を以て天と為す」といわれるほどきれいなトイレが必要とされている。強国の誇りを世界に示す意味も強い。 というわけで、中国は各地で熱心にトイレ革命を展開中。トイレ革命検討会やらトイレ革命勉強チームやら

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    Baatarism 2018/03/26
  • 銃規制を阻む全米ライフル協会の「信仰心」(パックン)

    <銃規制に反対する最強のロビー団体、全米ライフル協会(NRA)を支えるのは、銃保有の権利を宗教のようにあがめるあつい信仰心> Tent Revivalというのは、大きなテントで行われる「伝道集会」のこと。福音派キリスト教徒が音楽を楽しみ、説法を聞き、他の信者と交流することで、信仰に燃え、布教活動に励むように導かれていく集会だ。 全米ライフル協会(NRA)の集会はそれに酷似。銃保有主義者を鼓舞する音楽が流れ、銃文化を広める活動を熱く呼び掛ける。NRAの年次総会は3日間で8万人も動員する。 NRAと宗教の共通点はほかにもある。どちらもカリスマに富むリーダーがいて、聖典がある(NRAは銃保有を認める「憲法修正第2条」を聖書のように扱う)。強い組織があり、テレビ局を持ち、幹部が儲かる。それに、どちらも田舎で厚い支持層を誇っている。5歳から聖歌隊で歌い、8歳から銃を撃っている田舎育ちの僕が言うんだか

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    Baatarism 2018/03/15
  • 中国政府の外国浸透作戦には要注意(李小牧)

    かわいいパンダも時に人を襲うことがある (c)2018 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <100万人を超える日在留の中国人を通じて、中国政府が宣伝戦を仕掛けて来るかもしれない。パンダ外交を見ればわかる通り、見た目にだまされてはいけない> 以前のコラムで「中国人はお人よしだ」と書いたが、ちょっと訂正させてほしい。中国人はお人よしだ。でも彼らを代表する中国政府がそうとは限らない。 先日、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が「台湾人の飲店従業員が、オーストラリアでクビになるケースが相次いでいる」という記事を書いた。店の老板(社長)はみんな大陸からやって来た中国人。「台湾中国か否か」をめぐって遠くオーストラリアで「両岸戦争」が勃発し、「台湾台湾だ!」と自説を曲げなかった台湾人が職を失っているのだ。 これは日では起きないケース。という

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    Baatarism 2018/03/08
  • 中国で日本製ゲームアプリが大人気、「カエルをもって知る親の恩」?

    中国人は「旅かえる」のカエルをわが子のように考えている (c)2018 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <中国で日の無料ゲームアプリ「旅かえる」が大人気に。カエルを育てることで若者たちが親の気持ちを理解できるようになったと言うのだが> 「わが子よ! 一晩中ずっとを読んでいると目が悪くなるよ」「わが子からの旅先の写真だよ! 恋人ができたらしいわ」 たった一晩のうちに、私のSNS微信(WeChat)のアカウントはこんな投稿ばかりになった。「わが子」とはカエルのこと。カエルは「旅かえる」という日の会社が開発した携帯用ゲームのキャラクター。庭先のクローバーを集めてお弁当を買ってあげて、支度をしたらカエルは旅に出る。旅先の名産や思い出の写真を持ち帰り、家にいるときは読書にふける。正直これ以上つまらないゲームなんてないように思えるが、どうい

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    Baatarism 2018/02/22
  • 大統領が移民の国の歴史を知らないの?(パックン)

    <自由の女神が見守るニューヨーク湾のエリス島からは1200万人、現在のアメリカ人の4割の祖先が移民として入国してきた......そしてあの大統領のおじいさんも> ニューヨーク湾にそびえ立つ自由の女神。マンハッタン島の最南端から、ちょっと遠くて意外と小さいけどきれいに見える。ただ不思議に思えるのは、なぜか顔はブルックリンのほうに向いているということ。 その理由は、女神の台座に刻まれた女流詩人エマ・ラザラスの詩を見れば分かる。それは、Give me your tired, your poor, your huddled masses(疲れ果て、貧しく、身を寄せ合う群衆を私に送りたまえ)と、世界からの移民を招き入れる内容。悲惨な状態で自由を求めてアメリカにやって来る人のために、女神が玄関口を照らしているという。 だから、彼女の顔はマンハッタンにも、アメリカ土にも向いていない。正確に言うとブルッ

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    Baatarism 2018/02/01
  • 中国の娯楽番組を駆逐した「裸の女王様」

    <昨年夏から秋にかけて、中国各地のテレビ局でバラエティー番組が軒並み放送停止に追い込まれている> 中国テレビでは最近、「総芸節目(バラエティー番組)」が大人気だ。いや、正確には「人気だった」と言うべきか。 昨年夏から秋にかけて、各地でテレビ局のバラエティー番組が軒並み放送停止に追い込まれた。人気のトークショーでは、中国版マツコ・デラックスというべき辛口タレント金星(チン・シン)の番組が8月末に突然打ち切りに。中国漫才「相声」の人気タレントが司会の『今晩80後脱口秀(今夜、80年代生まれのトークショー)』も放送停止に追い込まれた。リアリティショーでもタレントが番組内で命じられたさまざまな「任務」クリアに挑む『極限挑戦』が放送できなくなった。 私も被害者の1人だ。約20年続いていた超人気トーク番組『鏘鏘3人行』が昨年9月、無期限休止になったのだ。13年間ゲストとして出演してきた私にとって、い

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    Baatarism 2018/01/24
  • 中国農民の反撃が始まる日

    <北京で出稼ぎ農民の追い出しが始まったが、そのうち怒れる農民たちの反撃が始まるかもしれない> 「北京の歌舞伎町」をご存じだろうか。中心部の東直門近くにある約1キロのストリートに、わが新宿・歌舞伎町顔負けの怪しげな赤いネオンを放つ店がズラリと並んでいるのだ。 「鬼街(コイチエ)」と呼ばれるこの通りに並ぶのは、出稼ぎ農民がやっている飲店。決してきれいとは言えないが、どの店も安くてうまい。外国人観光客にも人気だったが、この北京版・歌舞伎町はもう存在しない。北京市当局が昨年から「整理」を開始。店を改修させ、道を広げ、好き勝手に立てられていた看板を撤去......と、わい雑さが売りだったこの町を無機質な町に変えてしまったのだ。 北京市郊外にあった「出稼ぎ村」で、火事を理由にした立ち退き騒動が起きてから1カ月になる。付近では立ち退き反対デモが続くが、私は鬼街の整理を見たときから、今回のような事件がい

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    Baatarism 2017/12/19
  • 中国人の命は空気よりも軽い

    <「命は時に鴻毛(こうもう)より軽い」と言われるが、中国人の命は鳥の羽どころか空気より軽い> 最近、日のあるニュースが中国をにぎわしている。領土問題? 歴史問題? そうではない。 話題をさらっているのは、中国人女子留学生が東京都内で中国人の男に刺殺された事件だ。このコラムでも1年前に紹介したが、殺されたのは都内の大学に通っていた江歌(チアン・コー)という24歳の女性。元カレから追い回されていた友人の「身代わり」になって被害に遭った。 江歌は小さい頃に父親を亡くし、母親が女手一つで育て上げた一人っ子だった。どの一人っ子の親も自分の子供が突然いなくなったら、という不安を抱えている。中国人がこのネタにヒートアップするのは、元・中国人の私にはよく分かる。 さらにこの問題を中国炎上させているのが、江歌の母親が犯人に死刑を求め、日で署名運動まで始めていること。日の司法では初犯で1人を殺しても死

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    Baatarism 2017/12/05
  • トリクルダウンは嘘だった

    <超高所得者層に減税の恩恵が集中する見込みの共和党税制改正案。高所得者を優遇すれば経済全体が潤うという「トリクルダウン」は、みんな嘘だとわかっているはずなのに......> 「クリスマスの前の晩」という詩は200年近く前からアメリカで愛され、親が子によく読んであげるもの。風刺画では題名が「税制改正の前の晩」になり、サンタクロースの最後のセリフ「みんなにメリー・クリスマス!」が「みんなに豊かさを!(prosperity for all)」に変わっている。共和党の象さんが懸命に読み聞かせしているが、中流層の子供(?)はお話を疑っているようだ。 それもそうだ。改正案の主人公である Trickle-down Economics (滴り落ちる経済)は嘘だと誰もが分かっている。「高所得者の税率を下げると彼らの消費と投資が増し、その経済効果で労働階級も得し、税収も増える」という考え方だが、もともとはコメ

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    Baatarism 2017/11/28