アニメーターの社会学―職業規範と労働問題 作者: 松永伸太朗出版社/メーカー: 三重大学出版会発売日: 2017/08/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 最近いろいろと注目されることも多い「アニメーターの労働問題」を社会学の方法論で分析した本。 これまでの言説は、アニメーターが低賃金・長時間労働に甘んじていることを管理や搾取の構造で説明するものが多かった。クリエーターたちに対する「やりがいの搾取」という語などもひところ目立ったタームとして記憶に新しい。 しかし筆者によれば、フィールドワークで調べてみると実際にはアニメーターたち自身にクリエーター意識は少なく、むしろそうした見られ方に否定的な態度を示すことが多いという。 従来のやりがい搾取的言説はアニメーターたちの外部から持ち込まれた説明であり、アニメーターたち自身が実際に行為・理解していることを反映していない。ア