(左から)石川柊太、吉見一起、千賀滉大、岸本淳希。自主トレは球団の枠を超えて技術を磨き合える貴重な期間だ。 ホークスの石川柊太は最速153キロを誇る。 彼の目標はずっと千賀滉大だった。一見すれば、チームメートで同じタイプの本格派右腕だ。 石川が千賀に心惹かれた理由は他にもある。同じ育成枠出身だ。1つ年下でチームの後輩になるが、その立場から今年3月開幕のWBCの侍ジャパン選手にまで成り上がった投手に憧れて、いつかは同じ道を進みたいと考えるのはじつに自然な流れである。 しかしこの1月、自分の「常識」が間違っていたことを知った。 目指すべきはドラゴンズのエース・吉見一起だと教えられたのだ。 「最初、正直な感想は『え?』でした」 そうだろう。吉見といえば球界随一のコントロールの持ち主だが、球速で勝負をするタイプではない。石川のイメージとは真逆の投手だ。 しかし、たった数分後には、その疑念はすっかり