ホークスの育成はやはり宝の山だ。今年もまた、とんでもないピッチャーが頭角を現そうとしている。 背番号120、尾形崇斗。'17年育成ドラフト1位で学法石川高校(福島)から入団。甲子園出場はなかった。育成選手だから一軍出場実績はまだゼロだ。むしろ、プロ入りしてからの2年間で公式戦マウンドに上がったのは、二軍ですら通算5試合しかない。 工藤公康監督はその右腕をこの春季キャンプでA組に選出した。 なぜなのか――。 ホークスには三軍がある。主に独立リーグや社会人を相手にする昨シーズンの非公式戦では25試合に登板して3勝1敗、防御率1.84の成績を残した。特筆すべきは58.2投球回に対して奪った三振が86を数えたことである。 尾形の魅力はストレートだ。とにかく速くて、しかも伸びる。藤川球児の全盛期の「火の玉ストレート」に類似している。 明らかに育成レベルではない。 一度でも目にすれば、もう三軍レベルで