群馬県桐生市が一部の生活保護受給者に保護費を1日1000円ずつ手渡し、全額支給していなかったことが昨年秋、明るみになった。問題を受けて発足した貧困問題に取り組む有識者でつくる「桐生市生活保護違法事件全国調査団」(団長=井上英夫・金沢大学名誉教授)が、市側に質問書への回答を求め、独自に実態を調査。桐生市によると、法的な根拠がないまま日割りで支給したり、厳しい就労指導などを行ったりし、昨年11月末時点で判明しただけでも2018年度以降で11世帯に満額を支給していなかった。調査団は4月4日、市中央公民館で報告会を開き、市側の回答などを基に把握した実態や不適切な事例を参加者約70人に報告した。 桐生市生活保護問題 2023年11月、群馬県桐生市が、生活保護を申請した50代男性に、1日1000円、月合計でも決定額の半分しか支給していなかったことが新聞報道などで明るみに出た。男性は持病があって就労が困