歴史の教科書では語られない、もうひとつの武士の生き方がある。TVアニメ『逃げ上手の若君』は、“逃げる”ことの常識を覆す物語だ。 西暦1333年、鎌倉幕府が足利高氏の謀反により滅亡の危機に瀕する中、幕府の鎌倉幕府執権の跡継ぎ・北条時行は「戦って死ぬ」のではなく、「逃げて生きる」道を選ぶ。神官・諏訪頼重の導きで燃え落ちる鎌倉から脱出した時行は、諏訪の地で信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく。 この波乱の物語で主役の北条時行を演じる結川あさき、時行に英雄の素質を見出す諏訪頼重役の中村悠一、そして謎めいた存在感を放つ雫役の矢野妃菜喜に、役作りの裏側や作品の魅力について聞いた。時代のうねりの中で、生き抜くための選択としての「逃げる」ことの意味を、3人のキャストの言葉を通して探っていく。 鶴岡八幡宮と諏訪大社に訪れて感じたこと ーー南北朝時代を舞台にした作品に参加されるにあたって、準備した