橋はなぜ落ちたのか 設計の失敗学 Design Paradigms: Case Histories of Error and Judgment in Engineering ヘンリー・ペトロスキー / 朝日新聞社 / 2001/10/25 ★★★★★ 見事な科学技術史 著者は一般人向けのエンジニアリングの啓蒙書を書いている人。本書は、橋などの巨大建造物の歴史上の欠陥を紹介し、それらの設計上の間違いがどのように発生したのかを論じる工学一般の学生あたりをターゲットとした本である。過去の間違いを学ぶことで、今後の設計に活かすことができるという思想を見事に体現している良い本だった。著者は構造工学だけでなく、他のエンジニアリング分野にもこれらの教訓を活かすことができると主張している。 主なトピックには、「スケール効果の見落とし」、「理論の精度は低かったが、安全係数を大きくとっていたせいで事故につなが