ギリシャやアイルランドなどいくつかの国が巨額の債務を抱えていることから、納税者、投資家、そして政策当局はユーロ圏の将来を不安に思っている。 この危機が今後どのように展開する可能性があるかを示すロードマップが存在しないことも、こうした不安を増幅している。しかし、1980年代に中南米諸国が経験したソブリン債務危機に目を向けると、1枚のロードマップが浮かび上がってくる。 中南米にとって大きな意味を持つこの10年間には、多くの国々が債務を持続不可能な水準まで積み上げた末に、国際資本市場から閉め出されてデフォルト(債務不履行)に陥った。もう少しで米国の金融システムまで倒すところだったこの危機は、債務の棒引きによってようやく解決された。 中南米と欧州という両大陸はかなり異なるが、1980年代の中南米と今の欧州が置かれた状況には驚くほど似た面がある。 1980年代の中南米と今の欧州の共通点 第1に、どち