東京都現代美術館が閉館――そんな「怪情報」が広がり、美術愛好家たちの間に一時衝撃が走った。 騒動の発端となったのは、雑誌「月刊ギャラリー」(ギャラリーステーション)に掲載された美術ジャーナリスト・名古屋覚氏の文章だ。それによると、同美術館清算のための条例案が、年内にも都議会に提出されるというのだ。 収蔵品売り払って「アニメと伝統美術」の殿堂に? 東京都現代美術館は江東区三好四丁目に1995年に開館した。地下鉄の木場や清澄白河駅から約15分。石原慎太郎前都知事が「一旅行するつもりで行きませんと、出かけるつもりにならない」と発言したこともあるように立地はいささか遠いが、開館当初はアンディ・ウォーホル展(96年)、ポンピドー・コレクション展(97年)、荒木経惟展(99年)、三宅一生展(00年)など意欲的な展覧会を続け、美術ファンの注目を集めた。 02年から、美術好きで知られる故氏家斉一郎・日本テ