【3.11】「高所へ逃げろ」と書かれた陸前高田市立図書館の本がたどった運命 地域の歴史を忘れず、伝えるために 高所へ逃げろ。「津波記念碑」という本の表紙には、そうメモ書きされていた。2011年3月11日、東日本大震災による大津波は、この本を所蔵していた岩手県の陸前高田市立図書館を襲い、職員7人全員が落命、蔵書8万冊も全て流出した。津波に浸水し、ボロボロとなってしまったこの本は、その後、どのような運命をたどったのだろうか?
記録を残すとは、時に残酷なものである。 本書の表紙をめくると、そこには一枚の写真が掲載されている。カメラに向かって微笑む、福島民友新聞の6人の記者たち。撮影されたのは、2011年3月9日。後方には激震と津波によって後に消失してしまう「ろうそく岩」もそびえ立つ。そして6人の運命が、やがてジグソーパズルのようにバラバラに引き裂かれていくことを、彼らはまだ知らない。 記録を残すとは、時に希望を生み出す。 2011年3月12日の福島民友新聞の社説は、このような書き出しで始まる。 <私たち福島県民にとって、これまでに経験したことがない、想像を絶する揺れだった。> 一次資料もなく、被害状況も分からず、周囲が安否確認をしているさなかに書き出された文章は、助け合い、支え合うことへの呼びかけを目的とし、多くの被災者の元へと届けられた。 だが、このわずか3日ほどの間に、福島民友新聞の中では想像を絶するドラマが
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く