DavitRiceのブックマーク (1,851)

  • ロールズの社会は「地獄」なのか?(読書メモ:『増補 責任という虚構』) - 道徳的動物日記

    つ 増補 責任という虚構 (ちくま学芸文庫) 作者:小坂井敏晶 筑摩書房 Amazon 以前に同じ著者の『社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 』も読んだけれど、読んでいてとにかくイライラした。書も同じく。 著者の立場は極端な社会構築主義。『責任という虚構』にせよ『社会心理学講義』にせよ、「自由意志」は存在せず「責任」はだれかに罪や貧乏クジを押し付けて社会秩序を回復するための虚構に過ぎないと言い張ったうえで、自由意志とそれに伴う責任を前提としたうえで有るべき社会秩序を考えて「規範」を説こうとする哲学者の傲慢さや偽善性を批判する、という論旨がよく登場する。また、ベンジャミン・リベットの実験やスタンフォード監獄実験などの脳科学・心理学の研究結果をかなり大袈裟に解釈して牽強付会に用いているところも特徴。ほかの心理学者のを読んでみるとなんだかんだで謙虚であり、「現在の心理学の知

    ロールズの社会は「地獄」なのか?(読書メモ:『増補 責任という虚構』) - 道徳的動物日記
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    DavitRice 2022/10/04
  • 「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記

    改訂第二版〈学問〉の取扱説明書 作者:仲正昌樹 作品社 Amazon 久しぶりに写経っぽい読書メモ。 「新自由主義」という言葉自体にも気をつけなくてはいけません。日語の「〜主義」、あるいは英語の<〜ism>という言い方はすごく曖昧です。「マルクス主義」とか「ヘーゲル主義」「カント主義」などの個人名が付いている時の「主義」は、その固有名詞と結びついてる特定の思想やイデオロギーに自覚的にコミットしていることを意味するわけですが、「自由主義」とか「社会主義」、あるいは「フェミニズム」になると、その幅がかなり広くなります。むしろ思想傾向とか、基的な考え方の枠組みくらいのゆるい意味で理解した方がいいかもしれません。「民主主義」だと、そもそも英語にすると、<democracy>で、「主義」「思想」ではなくて、「制度」です。「資主義 capitalism」も、思想的な意味での「主義」ではありません

    「新自由主義」や「自己責任論」は実在するか?(読書メモ:『<学問>の取扱説明書』) - 道徳的動物日記
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    DavitRice 2022/10/03
  • 近況&お仕事募集&雑誌などに投稿した記事のリスト - 道徳的動物日記

    ●現在、単著の執筆作業と動物倫理に関する英語の翻訳作業を同時で進めていますが、生活費を稼ぐ&知名度を挙げるために、記事を寄稿させていただける雑誌等を募集します。 連絡は下記からよろしくお願いします。 davitrice0102@gmail.com ●年度に雑誌に寄稿した記事 ・PHP研究所『Voice』2022年 10月号「ネット空間を主戦場にする詭弁家」 ・講談社『群像』2022年 7 月号「感情と理性:けっきょくどちらが大切なのか?」 ・中央公論2022年 5月号「世界で燃え広がるキャンセル・カルチャー日米の事例から考える現代版「私刑」の功と罪」 ●昨年度以前の記事 ・rn press 2021年『USO 3』、「ウソと「めんどくささ」と道徳」 ・啓文社書房『表現者クライテリオン』2021年5月号「ポリティカル・コレクトネスの何が問題か アメリカ社会にみる理性の後退」 ・太田出版

    近況&お仕事募集&雑誌などに投稿した記事のリスト - 道徳的動物日記
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    DavitRice 2022/09/28
  • 「学問的な批判」は、いかにして「誹謗中傷」「いじめ」に堕すか? 研究者たちの経験から見えること(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    「学問の自由」と「社会正義」の衝突 2020年8月、筆者は、世界的に有名な言語学者・認知科学者であるスティーブン・ピンカーに対して、彼をアメリカ言語学会の要職の立場から除名することを請願する公開書簡が発表された事件について紹介する記事、およびその背景にある「キャンセル・カルチャー」について解説する記事をサイトに寄稿した(〈「世界的知性」スティーブン・ピンカーが、米国「リベラル」から嫌われる理由〉、〈一つの「失言」で発言の場を奪われる…「キャンセルカルチャー」の危うい実態〉)。 「キャンセル・カルチャー」とはさまざまな意味合いを含む曖昧な言葉であるが、上述の記事では「著名人の過去の言動やSNSの投稿を掘りかえして批判を行い、人に謝罪を求めたり地位や権威を剥奪するように人の所属機関に要求したりするような振る舞い」と定義している。当時、「キャンセル・カルチャー」という言葉は邦ではまだ一般

    「学問的な批判」は、いかにして「誹謗中傷」「いじめ」に堕すか? 研究者たちの経験から見えること(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
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    DavitRice 2022/09/21
    アリス・ドレガーの著作『ガリレオの中指』の書評記事が掲載されました。トランスジェンダーや人類学・生物学に関する学問の世界におけるキャンセル・カルチャーの事例を扱った、ルポタージュ的な著作です。
  • 『歴史評論』編集部に対する公開質問状 - 呉座勇一のブログ

    歴史評論』編集部御中 呉座勇一です。 貴誌『歴史評論』2022年10月号に杉浦鈴氏の論考「多声的な歴史叙述のために――フィクション・フェミニズム・日中世史」が掲載されました。 同稿では、私のツイッターでの不適切発言と、私の北村紗衣氏への謝罪・同氏と私との和解、私を非難する日歴史学協会声明・オープンレター、それらに対して私が提起した名誉毀損訴訟について言及されています。これらの事実関係につきましては特に異論はございません。 しかしながら、「所属する国際日文化研究センターによる懲戒処分を受けた」という記述には違和感を持ちます。 第一に、私に対する懲戒権を持つのは国際日文化研究センターではなく、その上部機関である人間文化研究機構です。このことは人間文化研究機構の公式サイトにおいて公表されてもいます。 www.nihu.jp 資料確認の疎かな不正確な記述であると言えますが、かかる論文の貴

    『歴史評論』編集部に対する公開質問状 - 呉座勇一のブログ
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    DavitRice 2022/09/20
  • 学問の自由の危機――日本版キャンセルカルチャーを許してはならない | Female Liberation Jp

    森田成也 私は2021年の10月に『現代思想』編集部に対して以下の抗議文を送ったが、まったく何の返信もなく、なしのつぶてだった。しばらくして、改めて私の抗議文についてどうなっているか尋ねるメールを編集部に送ったが、それに対してもまったく何の返信もなかった。『現代思想』のような権威ある大手雑誌にあるまじき、まったく社会的常識を欠いた対応だったと言うべきだろう。この抗議文を出してからすでに3ヵ月以上経ったこともあり、また、問題となった千田有紀さんの論文もネット上で公開されたことを受けて、この場を借りて、私の抗議文を公開させていただく。 『現代思想』2021年11月号(特集=ルッキズムを考える)において、高島鈴氏の「都市の骨を拾え」という論稿が掲載されている。その論稿を読んだところ、冒頭でいきなり、『現代思想』2020年3月号掲載の千田有紀氏の論稿「『女』の境界線を引き直す」に対する一方的な攻撃

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    DavitRice 2022/09/05
  • この本がすごい!2022年上半期 ノンフィクション編 - これからも君と話をしよう

    読んでよかったランキング、上半期編は毎年7月に行っていたんですが、今回は遅くなってしまいました。楽しみにしていた皆さん、お待たせしました。 今回は、学術書やエッセイなど広義の「ノンフィクション」編です。 今期は、ボリュームある学術系のを何冊か読んだこともあり、冊数はさほど多くありません。ですがその分、良いを厳選して読めたような気がします。 では、前置きはこのくらいにして、ランキングいってみましょう。 「2022年上半期(1〜6月)に読んで良かった」であり「その時期に発売された」ではないです〜。 11位 コラージュ入門 コラージュ入門 作者:藤掛 明 一麦出版社 Amazon 去年通った職業訓練校の「キャリア相談員養成講座」にて、コラージュをやって面白かったので、そのワークの持つ意味をきちんと知ってみたくなり、参考になりそうなを買ってみました。 著者のエッセイのような描写も多く、

    この本がすごい!2022年上半期 ノンフィクション編 - これからも君と話をしよう
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    DavitRice 2022/08/31
  • II-9 弱者男性のための正義論(後編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 6:「あてがえ論」と「上昇婚」 6-1:「女をあてがえ論」とはなにか ここまでの議論を整理しよう。従来のリベラリズムやフェミニズム、幸福度に注目する議論などでは弱者男性の問題を適切に捉えることはできなかった。しかし、潜在能力アプローチを用いれば、それらを求めているのに恋人がいなかったり結婚できなかったりする人がいる状況は不正義であり、公的な対処が必要

    II-9 弱者男性のための正義論(後編)
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    DavitRice 2022/08/26
    「女をあてがえ論」を否定したり「女性の上昇婚」を非難する議論を批判しつつ、健康や潜在能力の問題と正義論の観点から、男性の恋愛・結婚に対する間接的な支援は公的に提供されるべきである、という議論をしてます
  • II-8 弱者男性のための正義論(中編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 3:リベラリズムと弱者男性 3-1:リベラリズムにおける「公私分離」 前節で親密性の欠如が不利益であるということを強調したのは、弱者男性の問題を取り上げた際に呈されることの多い、「恋愛結婚できないことが悪いとは限らない」「恋人や配偶者がいないことは大した問題ではない」という意見に反論するためであった。 とはいえ、先述した通り、「人が求めているのに

    II-8 弱者男性のための正義論(中編)
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    DavitRice 2022/08/19
    リベラリズムにおける「公私分離」の問題や男女の「幸福度」の高低に関する議論、責任論やケイパビリティ・アプローチなど、政治哲学の概念・理論をさまざまに取り上げながら弱者男性の問題について分析しています。
  • 「エンジニアに聞く!あなたが今読みたい本2022」結果発表! - Tech Team Journal

    paiza・Tech Team Journalでは、8月13日の「paizaの日」特別企画として、昨年に引き続きエンジニアの皆さんに、「エンジニアに聞く!あなたが今読みたい2022」と題してアンケートを実施。この夏に読みたいと思っている技術書を募集しました。 今年も数多くのご回答ありがとうございました。 この記事では、回答数上位のものを中心に、ご回答いただいた書籍をご紹介いたします。気になる書籍があったら、ぜひこの夏に読んでみてください。 回答が多かった書籍上位10冊とコメント ■リーダブルコード 回答理由 既読ですがつまずいた時や解決法が無いときに必ず開くです。何度でも読み返せる名著です わかりやすいコード、読みやすいコードを書くためにエンジニアならば一度は読んでおくべきだと言われているので きれいにコードをかけるようになりたいから コーディングで悩む時間を少なくするため 人の

    「エンジニアに聞く!あなたが今読みたい本2022」結果発表! - Tech Team Journal
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    DavitRice 2022/08/16
    「その他の回答」のなかに拙著『21世紀の道徳』が入っていました
  • 結婚しなくちゃ幸せになれない、なんてない。|荒川 和久

    結婚しないと幸せになれない」「結婚してようやく一人前」という既成概念は、現代でも多くの人に根強く残っている。その裏で、50歳時未婚率(※1)は増加の一途をたどり、結婚をしない人やみずから選んで“非婚”でいる人は、もはや珍しくないのだ。日結婚の現状や「結婚と幸せ」の関係を踏まえ、人生を豊かにするために大切なことを、独身研究家の荒川和久さんに伺った。 「結婚すれば幸せになれる」という考え方は幻想だと、荒川さんは言う。“自分自身の幸せ”は、状態や他者の意見の中にあるわけではない。結婚しなければ、必ずしも不幸になるものでもない。 50歳時未婚率が増え続け、独身者や単身者向けの市場も活況な今、結婚をしないことのデメリットはほとんどない。2040年には独身者が5割近くになるという推計(※2)もあり、「選択的非婚者(みずからの意思で結婚しないことを選んだ人)」も、じわじわとその数を増している。 と

    結婚しなくちゃ幸せになれない、なんてない。|荒川 和久
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    DavitRice 2022/08/12
    本日公開のわたしの記事、新川さんの主張に対するよい反論になっていると思うので、よかったらお目通しください。|弱者男性のための正義論(前編) http://s-scrap.com/7873
  • II-7 弱者男性のための正義論(前編)

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 1:「理念」に基づいた弱者男性論が必要な理由 1-1:規範に関する議論の性質 これまで、この連載では「特権」や「トーン・ポリシング」、「マイクロアグレッション」という概念や理論について取り上げてきた。これらのいずれもが、「この社会のなかでマイノリティは不利な立場に置かれており、その生活や活動には不当な制限が課せられている」という差別構造の問題を指摘す

    II-7 弱者男性のための正義論(前編)
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    DavitRice 2022/08/12
    晶文社の連載、8月のテーマは「弱者男性論」です。前編では「弱者男性論が公的に/規範論として取り上げられなければいけない理由」を論じています。中編は来週の金曜日、後編は再来週日の金曜日に公開の予定です。
  • 少女を犠牲にして世界を救う功利主義が「道徳」となってはいけない理由 - あままこのブログ

    amamako.hateblo.jp 先日の記事ですが、はてブやTwitterの反応を見る限り、賛否両論、それも、否定がだいぶ多めのようです。 寄せられた主な批判としては 「著者の主張を曲解している」 「人文学は、文化相対主義を否定し、価値判断をすることによって社会に貢献しなければならない」 「功利主義に対するあままこの批判は間違っており、功利主義こそ道徳とされるべきだ」 というようなものが多いです。 ベンジャミンの考え方に同意できない部分は私もあるものの、このブログの主張も同意できないなと思ってしまったし、要約も恣意的だと感じた。の内容だけでいうなら私はベンジャミンのほうに意見が近い。 / “自分がどう生きるかは、結局自分が決めるしかないのでは?―『21…” https://t.co/PNmVoTdiyb— まくはり うづき(Makuhari Wuzuki) (@wuzuki_) 20

    少女を犠牲にして世界を救う功利主義が「道徳」となってはいけない理由 - あままこのブログ
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    DavitRice 2022/08/07
  • 自分がどう生きるかは、結局自分が決めるしかないのでは?―『21世紀の道徳』批判的書評 - あままこのブログ

    21世紀の道徳 作者:ベンジャミン・クリッツァー晶文社Amazon著者のベンジャミン・クリッツァー氏(id:DavitRice)の論考については以前もこのブログで何度か取り上げたことがあります。 amamako.hateblo.jp amamako.hateblo.jp amamako.hateblo.jp 上記の記事を読めば分かるとおり、僕はクリッツァー氏の豊富な知識量についてはすごいと思っているんですが、そこから示される、社会問題や学問観・人生論にはどうしても同意できないところがあります。ただ、なんでそこで同意できないかはいまいちよく分からなかったんですね。 それは、このを読んでも正直あまり変わらなかったんですが、ただこうやってまとまった形で論考を読むことによって、そもそもクリッツァー氏と僕には、根的な考え方の違いがあるんだなと思うようになりました。 学問は「唯一無二の正解」を示す

    自分がどう生きるかは、結局自分が決めるしかないのでは?―『21世紀の道徳』批判的書評 - あままこのブログ
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    DavitRice 2022/08/05
  • 「陰謀論の魔力」に感情を操られてしまいがちな訳

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    「陰謀論の魔力」に感情を操られてしまいがちな訳
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    DavitRice 2022/07/29
    ゴットシャル著『ストーリーが世界を滅ぼす』の書評記事を東洋経済オンラインに掲載してもらいました。「悪い物語」だけでなく「良い物語」にも存在する副作用、プラトン『国家』の詩人追放論について触れています。
  • 自己コントロール過剰の現代人に、ストア哲学者が教える「自由」(藤井 翔太) @gendai_biz

    ドナルド・ロバートソン『認知行動療法の哲学:ストア派と哲学的治療の系譜』(東畑開人、藤井翔太監訳、金剛出版)が刊行されました。このところ一般にも目にする機会が増えてきた心理療法アプローチ「認知行動療法」が、古代の「ストア派」の哲学に由来することを大胆に跡付けた作品です。 いっけん専門的な内容に思える同書ですが、日々さまざまな数値やデータ、定量化された評価によって「自己コントロール」を迫られる現代の私たちに、少し解放的なものの見方を授けてくれるかもしれません。監訳者の藤井翔太さんが解説します。 はじめに――哲学/臨床心理学ともう一つのTHE MATCH 「僕がいない別の世界というか、〔…〕絶対交わらないよねって言われていたもの、〔…〕あれですね、ディズニー〔ランド〕とユニバ〔ーサル・スタジオ・ジャパン〕。そのぐらいの世界が二人にはあった、とは思うんですけど。そこが当に交わるというか。二人と

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    DavitRice 2022/07/29
  • II-6 「被害者意識の文化」と「マイクロアグレッション」

    いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 前回の記事では、昨今の学問や言論の世界では「危害」と見なされる行為や主張の範囲が拡がっている、という問題に触れた。 これまでは危険だとされていなかった物事に危害を見出すための概念や考え方はさまざまに登場しているが、この潮流をとくに象徴するのが「マイクロアグレッション」理論である。 危害の範囲が拡大されると、「個人の自由は、他人に危害を与えない範囲内に

    II-6 「被害者意識の文化」と「マイクロアグレッション」
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    DavitRice 2022/07/21
    晶文社の連載、新しい記事が公開されました。「マイクロアグレッション」理論の問題点やその背景にある「被害者意識の文化」、ストア哲学や認知行動療法などについて論じています。
  • 「利他」は「理性」に由来する(読書メモ:『The Kindness of Strangers』) - 道徳的動物日記

    The Kindness of Strangers: How a Selfish Ape Invented a New Moral Code (English Edition) 作者:McCullough, Michael E. Oneworld Publications Amazon ここではざっくりとしか紹介しないので、各章ごとのちゃんとした要約はShoreBirdさんのほうを参照してください。 shorebird.hatenablog.com こので扱われるのは、「なぜ現在の私たちは、血も繋がっていなければ済んでいるところも遥か遠くにいえる見知らぬ他人に対して親切心や同情心を抱けるようになり、ときとして彼らを支援するようになったのか」ということ。 たとえば、ニュースで犯罪や事故の被害者のことを知るとわたしたちは「かわいそうだ」と思うし、外国における戦争や災害の犠牲者の存在を知っても

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    DavitRice 2022/07/15
  • 読書メモ:『エピクテートス:ストア哲学入門』 - 道徳的動物日記

    エピクテートス: ストア哲学入門 (岩波新書 黄版 24) 作者:鹿野 治助 岩波書店 Amazon 当然のことながら自分で買える金額じゃなくなっているので図書館で借りて読んだ。 ……ギリシア的教養は何れにしても知的で、それを学ぶためにはそれだけの時間や余裕が必要であった。したがってそれを持たない者には、結局、縁がないということにならざるを得なかった。しかし当をいえば、それらの余裕を持たない者たちこそが、ゆとりを与えられ、平静、幸福であるべきなのである。かくてこのようなどん底生活を余儀なくされている弱者のために生れたのが、当時振興のクリスト教であった。そこには神の言葉としてどうかと思われるものもないではないが、その教えは明快にして容易、要はただそのまま信ずるということであった。 (p.31) 哲学(倫理学)と宗教の違いをうまく表しているように思える。 エピクテートスはずっと独身であった。

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    DavitRice 2022/07/15
  • フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記

    むずかしい女性が変えてきた――あたらしいフェミニズム史 作者:ヘレン・ルイス みすず書房 Amazon 出版社による紹介は下記の通り。 女性が劣位に置かれている状況を変えてきた女性のなかには、品行方正ではない者がいた。危険な思想に傾く者も、暴力に訴える者さえもいた。 たとえばキャロライン・ノートン。19世紀に困難な離婚裁判を戦い抜いて貴重な前例をつくった人物だが、「女性は生まれながらにして男性に劣る」と書き残した。たとえばサフラジェットたち。女性の参政権獲得に欠かせない存在だったが、放火や爆破などのテロ行為に及ぶこともあった。たとえばマリー・ストープス。避妊の普及に尽力し多産に悩む多くの女性を救った彼女は、優生思想への関心を隠さなかった。 しかしだからといって、その功績をなかったことにしてはいけない。逆に功績があるからといって、問題をなかったことにしてはいけない。歴史は、長所も短所もある一

    フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記
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    DavitRice 2022/07/04