東京都台東区の都立高校で4月、1年の女子生徒(15)が実母による虐待を疑われながら、学校が児童相談所へ通告していなかったことが7日、関係者の話で分かった。生徒はその後も虐待を受け、7月に児童相談所の介入により保護された。都教委は「学校の対応は適切ではなかった」として事実関係を調査する。虐待通告をめぐっては1月の江戸川区の岡本海渡(かいと)君事件を受け、文部科学省などが子供の安全確保の徹底を求める通知を出しているが、教訓が生かされていない実態が浮かんだ。 関係者によると、4月下旬、担任の男性教諭が生徒の顔に直径約4センチの青あざがあることに気づいた。前歯も少し欠けていた。生徒が「酔った母親からの暴力に悩んでいる」と話したため、担任は男性校長(60)らへ報告した。その際、校長は緊急性を認めず「様子を見る」として児童相談所へ通告しなかった。 7月上旬、担任は再び生徒の様子がおかしいことに気づき、