松井孝治・元官房副長官は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。厚生労働省の若手チームによる緊急提言を紹介して「若手職員の地べたで血反吐(へど)を吐くような執務環境、やむにやまれぬ思いがひたすら伝わってくる」と述べ、官僚の現場の疲弊が限界に来ていると訴えた。 松井氏は「現場がここまで疲弊していることをすべての関係者は直視することが必要だ」と強調。「雑務や制度的な疲労、人員不足で彼らがどんどん摩耗(まもう)して、肝心の社会の暗部にどのように立ち向かうかという実態調査や政策の効果の評価、新たな政策の立案に割く時間や情熱がすり減らされているとすれば、これこそ国家の危機そのもの」と語った。 現在の官僚を巡る環境の問題点については「国会質疑に絡むさまざまな慣習、政治的調整を官僚に丸投げする与党、与党への敵愾(てきがい)心を官僚にぶつけがちな野党。政府与党の意思決定にまつわるさまざまな慣行」と説明。「他ならぬ