東京大学は、単純ヘルペスウイルスの新しい免疫回避機構を発見し、それをつかさどるウイルスタンパク質として「VP22」を同定した。解明された分子メカニズムを標的としたHSV感染症の新しい治療法の開発につながる。 東京大学は2018年2月15日、同大学医科学研究所 教授の川口寧氏らの研究グループが、単純ヘルペスウイルス(HSV)の新しい免疫回避機構を発見し、それをつかさどるウイルスタンパク質として「VP22」を同定したと発表した。 HSVは一度感染すると、宿主の免疫応答によって体内から排除されることなく、ヒトの体内に終生潜伏する。そのため、HSV感染症は多くの病態において潜伏と再発を繰り返す。このことから、HSVにはヒトの多様な免疫応答から逃れる高度な機構があると考えられている。 そして、AIM2インフラマソームに対するHSV阻害因子の存在が長い間示唆されてきた。AIM2インフラマソームは、DN