言論の自由は最も基本的な人権の一つである。権力からの圧力や暴力によって脅かされることは断じて認められない。 サウジアラビア政府を批判してきた記者が行方不明になり、国際社会を揺るがせている。 米国を拠点に活動するサウジ国籍のジャマル・カショギ氏である。今月初めにトルコのサウジ総領事館に入ったあと消息を絶った。トルコ当局は館内で殺害された可能性があるとみて捜査している。当初は関与を否定していたサウジ政府も、総領事館の捜索を認めた。 英仏独3カ国の外相は「重大な懸念」を示す声明を出し、サウジとトルコが協力して事実を解明するよう求めた。サウジ政府は、国際社会が納得できるよう説明責任を果たすべきだ。 外相声明は「表現や報道の自由、ジャーナリストを守ることは優先事項だ」と強調した。 世界を見渡せば、報道の自由はいま、あちこちで危機に直面している。 米国の非営利組織「ジャーナリスト保護委員会」によると、