上記の表から、和食の代表的なだしである鰹だし、昆布だし、椎茸だしがいつ頃生まれたのかを見ていきましょう。 1-1 椎茸だし椎茸だしは、鎌倉時代(1200年代中盤)に生まれたとかんがえられます。 椎茸だしのことが書かれている最も古い文献は、「典座教訓」です。書いたのは鎌倉時代に曹洞宗を開いた僧の道元です。書かれたのは嘉禎3年(1237年)とされています。道元が中国に渡航した際上陸が許されないで、足止めを食いました。その時に四川省出身の転座(禅寺の料理係の役職名)が来て「この船に椎茸は積んでいないか。」と尋ねたのです。その転座は椎茸が美味しいだしが取れることを知っていたのですね。 鎌倉時代はこのように僧が中国で学んで禅宗とともに料理技術も持ち帰りました。禅僧が修行の一環として作った料理を精進料理と言います。現代でも「精進します。」なんて言いますよね。精進料理は大豆などの植物系の食材で、何とか肉