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ブックマーク / www.aozora.gr.jp (7)

  • 作家別作品リスト:三遊亭 円朝

    江戸から明治への転換期にあって、伝統的な話芸に新たな可能性を開いた落語家。名は出淵次郎吉(いずぶちじろきち)。二代三遊亭圓生門下の音曲師、橘屋圓太郎(出淵長藏)の子として江戸湯島に生まれ、7歳の時、子圓太を名乗って見よう見まねの芸で高座にあがる。後にあらためて、父の師の圓生に入門。母と義兄の反対にあっていったんは落語を離れ、商家に奉公し、転じて歌川国芳のもとで画家の修行を積むなどしたが、後に芸界に復帰。17歳で芸名を圓朝に改め、真打ちとなる。まずは派手な衣装や道具を使い、歌舞伎の雰囲気を盛り込んだ芝居噺で人気を博すが、援助出演を乞うた師匠に準備していた演目を先にかける仕打ちを受けたのを機に、「人のする話は決してなすまじ」と心に決める。以降、自作自演の怪談噺や、取材にもとづいた実録人情噺で独自の境地を開き、海外文学作品の翻案にも取り組んだ。生まれて間もない日語速記術によって、圓朝の噺は速

  • 『圓朝全集』は誰のものか

    『圓朝全集』は誰のものか 1999年6月30日作成 2005年10月16日修正 富田倫生 目次 【報告書作成の狙い】 【発端】 【調査の内容】 1 没年確認の流れ ●基的な資料での確認 ●著書からの調査 ●その他の手がかり 2 団体名義か個人名義か 3 『圓朝全集』の校訂をどうとらえるか 【結論】 【今後の検討課題】 1 著作権者、著作権継承者〈たずね人〉ページの新設 2 裁定制度の利用 【報告書作成の狙い】 幕末から明治を生きた落語家、三遊亭圓朝は、書き言葉の今のあり方に、影響を及ぼしている。 その後の文学、さらにより広く、文章一般のスタイルにも深く関わった彼の仕事の全体像は、大正の終わりから昭和のはじめにかけて刊行された、春陽堂版の『圓朝全集』にうかがえる。 書物を通じて圓朝の作品に触れた人は、これが彼の噺をうつしたものであることに、あらためて驚かされるだろう。 大きな物語の骨組

  • 中原中也 山羊の歌

    トタンがセンベイべて 春の日の夕暮は穏かです アンダースローされた灰が蒼ざめて 春の日の夕暮は静かです 吁(ああ)! 案山子(かかし)はないか――あるまい 馬嘶(いなな)くか――嘶きもしまい ただただ月の光のヌメランとするまゝに 従順なのは 春の日の夕暮か ポトホトと野の中に伽藍(がらん)は紅く 荷馬車の車輪 油を失ひ 私が歴史的現在に物を云へば 嘲る嘲る 空と山とが 瓦が一枚 はぐれました これから春の日の夕暮は 無言ながら 前進します 自(みづか)らの 静脈管の中へです 今宵月はいよよ愁(かな)しく、 養父の疑惑に瞳を(みは)る。 秒刻(とき)は銀波を砂漠に流し 老男(らうなん)の耳朶(じだ)は螢光をともす。 あゝ忘られた運河の岸堤 胸に残つた戦車の地音 銹(さ)びつく鑵の煙草とりいで 月は懶(ものう)く喫つてゐる。 それのめぐりを七人の天女は 趾頭舞踊しつづけてゐるが、 汚辱に浸る

    EurekaEureka
    EurekaEureka 2008/02/14
    サーカス "幾時代かがありまして 茶色い戦争がありました""ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん"
  • 夏目漱石 夢十夜

    こんな夢を見た。 腕組をして枕元に坐(すわ)っていると、仰向(あおむき)に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭(りんかく)の柔(やわ)らかな瓜実(うりざね)顔(がお)をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇(くちびる)の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然(はっきり)云った。自分も確(たしか)にこれは死ぬなと思った。そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗(のぞ)き込むようにして聞いて見た。死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開(あ)けた。大きな潤(うるおい)のある眼で、長い睫(まつげ)に包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒な眸(ひとみ)の奥に、自分の姿が鮮(あざやか)に浮かんでいる。 自分は透(す)き徹(とお)るほど深く見えるこの黒眼の色沢(つや)を眺めて

  • 青空文庫 - 梶井基次郎 「桜の樹の下には」

    桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている! これは信じていいことなんだよ。何故(なぜ)って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。 どうして俺が毎晩家へ帰って来る道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、選(よ)りに選ってちっぽけな薄っぺらいもの、安全剃刀の刃なんぞが、千里眼のように思い浮かんで来るのか――おまえはそれがわからないと言ったが――そして俺にもやはりそれがわからないのだが――それもこれもやっぱり同じようなことにちがいない。 いったいどんな樹の花でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。それは、よく廻った独楽(こま)が完全な静止に澄むように、また、音楽の上

    EurekaEureka
    EurekaEureka 2006/09/10
    青空文庫。春になったら「呑みにいきませんか?」
  • 梶井基次郎 檸檬

    えたいの知れない不吉(ふきつ)な塊が私の心を始終壓へつけてゐた。焦燥と云はうか、嫌惡と云はうか――酒を飮んだあとに宿醉(ふつかよひ)があるやうに、酒を毎日飮んでゐると宿醉に相當した時期がやつて來る。それが來たのだ。これはちよつといけなかつた。結果した肺尖カタルや神經衰弱がいけないのではない。また脊を燒くやうな借金などがいけないのではない。いけないのはその不吉な塊だ。以前(いぜん)私を喜ばせたどんな美しい音樂も、どんな美しい詩の一節も辛抱がならなくなつた。蓄音器を聽かせて貰ひにわざわざ出かけて行つても、最初の二三小節で不意に立ち上つてしまひたくなる。何かが私を居堪(ゐたま)らずさせるのだ。それで始終私は街(まち)から街を浮浪し續けてゐた。 何故だか其頃私は見すぼらしくて美しいものに強くひきつけられたのを覺(おぼ)えてゐる。風景にしても壞(くづ)れかかつた街だとか、その街にしても他所他所(よそ

  • 桜の樹の下には - 梶井基次郎 - 青空文庫

    EurekaEureka
    EurekaEureka 2005/10/01
    「桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。」
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