運輸安全委員会は30日、高知市のとさでん交通で昨年11月、路面電車が別の電車が走行する単線区間に進入したトラブルの報告書を公表した。運転士が確認を怠り、必要な手続きを踏まなかったことが原因と指摘した。 とさでん交通では「通票」と呼ばれる小さな円盤を運転士が受け取った電車だけが、単線区間に進入できる仕組みを採用。通票は単線区間ごとに一つしかなく、すれ違いができる停留場などで受け渡している。 トラブルは昨年11月17日午前9時すぎに発生。伊野線の伊野行き路面電車が、単線区間である朝倉-八代間に通票がないまま進入。運転士がミスに気付いて停車させたが、対向車両は前方約60メートルまで迫っていた。乗客にけがはなかった。 出発前に通票の有無を声に出して確認する決まりになっているが、この運転士は普段から声を出しておらず、確認がおろそかになっていた。 運輸安全委は再発防止策として通票ではなく信号を用いた方