2019年7月4日、北朝鮮の金日成総合大学に通うオーストラリア人留学生アレック・シグリー氏が国外追放された。 朝鮮中央通信はシグリー氏が「反朝鮮謀略宣伝行為」を働いたとして6月25日にスパイ容疑で拘束、人道措置として釈放したと発表。北朝鮮の数少ない外国人留学生として、日々新たな情報発信をしていた彼を襲った急転直下の事態に、北朝鮮ウォッチャーの中では驚きが走った。 当連載では、シグリー氏が北朝鮮との出会いの経緯から、逮捕・追放という形で幕を下ろした約1年間の留学生生活を回顧する。その数奇なエピソードは、北朝鮮理解の一助となるか――? (前回、紹介した)95%の中国人留学生を除外すると、他の国籍の長期留学生は数人のみである。 そして博士課程であった私を含む数人以外は、すべて本科生であった。ラオス人2名、ベトナム人5〜6名、カンボジア人1名、モンゴル人1名、カナダ人1名。そして、オーストラリア人