世界中には、悟った人、覚醒した人に関する逸話が数多く残っています。 もちろん、ブッダやキリストはその代表ですが、 少し変わった狩猟の民の話をしたいと思います。 古くからの狩猟民族には山の掟というのがあって、 山に入る時、心の中で想像することや考えることまで、厳しく制限される文化があります。 それは、動物の潜む山の奥深くを聖地と捉えるだけでなく、 実際に野生の動物は、人が頭で想像することに反応して、姿を消すからだというのです。 特に性に関する想像は御法度で、妻のいる狩人は、妻のことでさえ、想像もしてはいけない、 そして、草むらに潜んだまま、何時間でも心を空にして、獲物を待つというのです。 神秘化で有名なロシアのグルジェフは、このような狩猟の民の中に、 真に覚醒した人物を認めたと言います。 一方で、小乗仏教の戒律も、同じようなロジックのもとに、組み立てられているようです。 小乗仏教では悟りの究