<報道圧力発言を憂える>読者と国民を愚民視 ◎河北新報社取締役編集局長 鈴木素雄 自民党所属国会議員の勉強会で、報道機関に圧力をかけて言論を封殺しようとする発言が相次いだ。「選良」と呼ばれる人たちの言論の自由に対する鈍感さと無理解に、背筋が寒くなる。ペンの力をよく知り、それ故にその行使についてより自制的であるべき人気作家が講師役を務めたと聞いて、二の句が継げない。 標的となったのは沖縄県の地元紙「琉球新報」と「沖縄タイムス」だった。米軍普天間飛行場の県内移設問題について、いずれも政府に厳しい論調を展開している。人気作家や勉強会の出席者は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」「左翼勢力に乗っ取られている」と、口を極めてののしった。 エネルギー政策や安全保障問題などをめぐって、国策と地方の利害が対立することは珍しくない。地方紙が県民の声を代弁して編集に当たることはむしろ当然の任で、そ