内容欧米の印刷物には実にさまざまな書体が使われています。同じローマン体,イタリック体でも,表情の違った書体がいくつもあり,目的に応じて使い分けられています。こういった欧文の活字書体は,グーテンベルク以来,500 年以上にわたる活版印刷の歴史の中で発展してきたもので,デジタルフォントになった今も新たな書体が次々と生まれています。 こういった欧文活字書体の背景には,紀元前後から培われてきた,文字を美しく手書きする技術,カリグラフィーの伝統があります。 今回は,書体デザイナーでカリグラファーの木村文敏さんをゲストにお招きします。いろいろなローマン体,イタリック体の活字書体を味わい,それらがカリグラフィーとどんな関係にあるのか,どうしてそんな形をしているのかを探ってみたいと思います。 ゲストプロファイル 木村文敏(きむら ふみとし) 1964 年生まれ。神奈川県出身。武蔵野美術大学卒業。文字デザイ