[Part3] 「紙か電子か」 表示の仕方や作業環境が影響 「画面で読んでも頭に入らない。やっぱり紙でないと」。パソコンが普及した今も、職場で「紙か電子か」の議論になると、そんな意見がかわされる。 場所によって明るさが違う日常生活では、反射式の画面のほうが液晶より目にやさしいのは確かだ。だが、読解や思考、あるいは快適さといった「脳」での認知の仕方も、紙と電子画面では本質的に違うのだろうか。さまざまな研究が始まっている。 「素材の違いだけでなく表示の仕方の違いを考える必要がある」と話すのは、東海大学工学部教授の面谷信だ。二つの実験を紹介しよう。 被験者に同じ文章を読んでもらう。まず、(1)ウェブサイトのように一画面に収まりきらない文章を、上に送りながら読み取るスクロール方式(2)紙のように「ページ」として文章が表示された画面を切り替えながら読み取る方式、の2種類に分ける。 さらに読んだ後、内