「ふつうの人」がどんどん「取材」をし、 ネットで公開し始めたのがこの10年の変化だ。 ただ、そこには微妙な違和感を感じもする‥‥ ●誰にでも情報は平等に開かれている? 連載が500回目になったのを機会に、ここ10年のネットの変化を振り返っている。今回は、マスメディアとネットのかかわりについて書くことにしよう。 ジャーナリストというのは、国民の「知る権利」を代表しているということで、いわば特権を持って取材することが許されている存在だ。私もジャーナリストと 名乗って取材をすることもあるが、もともと新聞やテレビといった正統的なマスメディア組織で働いていたわけでもなくフリーの身で、特権を持って取材すると いうのは、正直なところどこか居心地が悪い。ふつうの人がふつうに生活している範囲で出会える情報をもとにしてものごとを考えるべきではないかという気も するのだ。 さらにいえば、特別の手段を使わなければ