新字の「亘」は、人名用漢字なので子供の名づけに使えます。旧字の「亙」も、人名用漢字なので子供の名づけに使えます。つまり、「亘」も「亙」も出生届に書いてOK。実は、「亘」と「亙」は全く異なる別の字なのですが、ここではあえて、「亘」を新字、「亙」を旧字と呼ぶことにしましょう。 昭和15年12月、国語協会は『標準名づけ読本』を発表しました。『標準名づけ読本』は、やさしくわかりやすい名前を子供につけることで国字運動の一翼を担おう、という意図のもとに編纂されたもので、端的に言えば、子供の名づけに用いる漢字を500字に制限しようとするものでした。この500字の中に、旧字の「亙」が含まれていました。一方、昭和17年6月17日に国語審議会が答申した標準漢字表2528字には、新字の「亘」が収録されていました。「亘」と「亙」に関しては、国語協会と国語審議会とで見解が微妙に異なっていたのです。 ところが、昭和2