『千字文』と新JIS by 小池和夫 990223 『千字文』は重複しない一千字の漢字を四字一句、二百五十句の詩文として、書道の 手本として、また識字の教科書として遣われてきた文書です。作られたのは西暦五〇 〇年頃とされ、日本へも聖徳太子の時代以前に伝わってきています。 明治初年までは手習いというか読み書きを憶えるのに、まず『千字文』から始められ たようですから、日本人の教養の根幹にあったものと言っていいと思います。しかし 、初等教育が文部省の国語教科書を用いて行われるようになるとともに『千字文』は 時代遅れとなってしまいました。それにしても千数百年間も命脈を保っていたわけで すから、『千字文』の一千字の漢字は、まず基本として憶えておいてよいものの筈で す。それでは、『千字文』の中身を見てみましょう。 まず、常用漢字で書けるものだけを選んでみました。 天地玄黄宇宙洪荒日月★★☆宿列張