横浜市中区の関内地区周辺に、明治時代から昭和中期にかけて建てられた歴史的価値の高い洋風建築物が、約三十年前の百三件から、今年までに五十一件に半減したことが分かった。県内の建築士らでつくる「日本建築家協会神奈川地域会」が調査し、まとめた。歴史的な建物を保存する難しさが浮き彫りになった。 (荒井六貴) 地域会によると、対象は、横浜市中区の大岡川と中村川に挟まれた一帯のうち、東京湾側の関内地区周辺にある洋風建物。市教育委員会が一九八四年に発行した資料に掲載した建物と、地域会がデザインとして重要と判断した築五十年以上の建物の計百三件を選んだ。 会員が昨年から今年にかけ、現地に出向き調査したところ、民間企業が持っていた建物を中心に五十二件が解体され、姿を消していた。改修や復元を行った建物を含めても、現存するのは、県庁舎や県立博物館、市開港記念会館、横浜地裁など五十一件だった。 調査した建築家笠井三義