オランダのアムステルダム国立美術館といえば、レンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」「手紙を読む青衣の女」などの名作を所蔵することで知られ、そのコレクションは、パリ・ルーヴル美術館やロンドン・大英博物館にも匹敵する。そんなヨーロッパ有数の美術館が、2013年4月に大規模改修を終えてグランドオープン。国内外から1日1万4000人もの来館者を集めているという。しかし、華々しいグランドオープンにこぎつけるまでに、この美術館には数々の試練が降りかかった。 そもそもこの美術館は1855年に開館して以来、度重なる拡張や増築で1990年代までには、迷路のようになっていた。増えるコレクションと来館者に対応するため、オランダ政府は2000年に美術館の全面改修を決定する。