ヨーロッパにはフランスをはじめ、各国それぞれの気候風土、産物、民族性、社会情勢などによって、異なる特徴をもつ料理がある。とくにドイツは、東西、南北に多くの隣国と地を接しているため、それら隣国の影響を受けた料理がかなりあって、ドイツ料理とよばれるものは非常に多い。また、第二次世界大戦前のドイツは、現在に比べてはるかに広かった。いまでは他国となってしまった地方の名のついた料理も、ドイツ料理としてりっぱに生きている。ドイツ料理は経済的で合理性のある家庭料理が多く、昔はラードの使い方に特徴があるといわれていた。 ドイツ料理といえば、まず煮込み料理があげられる。肉をラードでよく焼いてから、野菜とともにゆっくりと煮あげる。また、肉を塊のままでワイン、酢、ビールなどに4~5日間漬け込んでからラードで焼き、さらによく煮込むサワーブラーテンSauerbraten(ドイツ語)などは、ドイツの代表的な料理といえ