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免許証を返納し、乗ることがなくなった車を見つめる浅石栄一さん(左)と妻の笙子さん。以前は愛犬も一緒に車でよく出かけていた=八戸市の浅石さん宅で 5月の下旬だった。息子がいつになく真剣に「相談がある」と言ってきた。父親の浅石栄一さん(79)=八戸市=は少し戸惑ったが、突然帰省した50歳の息子はこう切り出した。 「車に乗るのは終わりにしよう」 実はこれまでも度々、浅石さんは中型自動車の運転免許証の「返納」を勧められてきた。だが特に事故を起こしたことはなく、「一生車に乗るつもりでいた」ため、今回も聞き流すつもりだった。 しかし、この日の息子は一歩も引かなかった。「交通事故を目の当たりにする度に両親の顔が浮かぶ」「事故の加害者になれば家族全員が賠償責任を負う」−−。息子は警察官。大きな事故はなくても、父が乗る車に徐々にキズが増えていくことに気づいていた。 この記事は有料記事です。 残り1082文字
東京都大田区 斉藤まゆ子 75 主婦 高齢者の事故が増えているという。わが家では、75歳になる夫が運転免許証を返納する決意をした。 乗用車を購入したのが、夫が50歳のとき。それまではレンタカーを使っていた。夫は車好きで、ドライブにもよく出かけた。私は運転ができないので、カーナビの代わりを務めた。 東北や北陸などの観光地をめぐった。新聞に掲載された写真ですてきな風景を目にすると、すぐに地図を広げてコースを考えるのが習慣になった。旅先で、日の出に出合うと、停車して歓声を上げ、夕日が地平線に沈むのを目にすると、その日も安全運転で過ごせたことに感謝した。 これから先、もし事故でも起こしたら、今まで積み重ねてきた思い出が、台無しになってしまう。だから、返納しようという夫に感謝したい。 これからは2人で、電車での旅を計画していきたいと思っている。
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