日本では住宅に求める条件として「南向き」が重要視され、それは住宅価格にも反映されています。では、この日本人の「南面信仰」はいつぐらいから始まったのでしょうか。 前回のエントリーでも紹介した、『「間取り」で楽しむ住宅読本』にその話題が出ていました。 「間取り」で楽しむ住宅読本 (光文社新書) 内田 青蔵 光文社 売り上げランキング : 272572 Amazonで詳しく見る by AZlink それによると、江戸時代後期までは、南向きにこだわる傾向は見られなかったという。それでは、南向き北向きなどの方位が重視されずに何が重視されていたのか。それは、通りに面した側であるかどうかが重視されていたという。そして、江戸時代の武士の住宅では、接客の場を中心に間取りが構成されていたため、通りに面した側、すなわち屋敷の「表側」に接客の場である座敷が配置されていた。 ところが、興味深いことに、江戸時代後期に